財務会計の理論と制度

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辻山 栄子 編著

定価(紙 版):6,160円(税込)

発行日:2018/01/19
A5判 / 412頁
ISBN:978-4-502-25031-6

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本の紹介
本書は、「現代会計に対する混迷と危機」という問題意識のもとに、基礎概念、理論と実証、会計基準、財務会計の展開の4つの視点から、現代会計の本質と問題点を解明。

著者紹介

辻山 栄子(つじやま えいこ)
[プロフィール]
1947年生まれ
東京大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学   
早稲田大学商学部/大学院商学研究科教授
博士(経済学)

[主な著作]
「現代会計のアポリア―対立する2つのパラダイム」『早稲田商学』第434号(2013年)
「資本と利益」斎藤静樹・徳賀芳弘編著『体系現代会計学第1巻-企業会計の基礎概念』(中央経済社,2011年)所収 他

『所得概念と会計測定』(森山書店,1991年)
ウィッティントン著『会計測定の基礎―インフレーション・アカウンティング』(訳書,中央経済社,2003年)
『逐条解説 減損会計基準(第2版)』(編著,中央経済社,2004年)

担当編集者コメント
早稲田大学・辻山栄子先生の古希記念書籍です。

本書は,26名にも及ぶ執筆者に『財務会計の理論と制度』という書名の下で自由に論題を選んで執筆いただいていますが、「現代会計に対する混迷と危機」という問題意識が全章を通じて共通しています。各章は,いずれも完結した研究論文ですが,本書では全体を以下の4つのテーマに分類して、各章が構成されています。

■第Ⅰ部 基礎概念
第1章 現代会計の危機
第2章 事業活動の性質と純損益・包括利益
第3章 会計基準の二元的構造
第4章 リサイクリングを伴う純利益への支持
第5章 投資回収計算と企業価値評価の接点
第6章 包括利益の「理論的根拠」としての経済的所得
第7章 実現・継続性規準の起源と意義
第8章 企業会計における持分概念
第9章 資本会計と資産負債アプローチ
■第Ⅱ部 理論と実証
第10章 情報理論がつなぐ会計測定と実証分析
第11章 社会規範としての会計ルールの合理性
第12章 日本の部門別R&DとGDP
第13章 先行研究を無批判に援用することの危険性について
第14章 会計基準の設定と実証研究
第15章 包括利益情報の価値関連性
■第Ⅲ部 会計基準
第16章 製品保証取引と収益認識
第17章 会計上の見積りの変更に関する会計問題
第18章 企業結合時における非支配持分の公正価値測定
第19章 全部のれん方式と親会社株主に帰属する純利益
第20章 IFRS第3号における取得法の特徴
第21章 事業分離におけるのれん原価の配分
第22章 リース会計基準にみる資産の認識拡大
第23章 保険契約会計基準の国際的な収斂への障壁
■第Ⅳ部 財務会計の展開
第24章 管理会計における思考の推移
第25章 わが国公会計基準とドイツ公会計基準の比較検討
第26章 人と会計

裏帯にも書きましたが、この問題意識は、具体的には以下のとおりです。
「会計が危ない。この20年近く、会計基準の国際的な動向を身近で観察し続けてきた身として、その思いが増している。たとえそれがどのようなルールであれ、企業は定められたルールのもとで競争するのがフェアな競争であり、そのルールは世界的に統一されていたほうが良い。その点に異論はない。しかしそのルールが極めて不合理なものであったとしたらどうだろう。それでもルールはルールだからと、それを念頭において経営の舵取りをしている間に、その影響がボディブローのように効いて、企業の体力がいつの間にか弱ってしまう可能性は否定できない。当然、資本市場に提供される財務情報も歪んだものになっていく。」(「第1章 現代会計の危機」(辻山栄子著)より)

本書全体を読み通すことにより,読者は現代の財務会計に対する立体的な理解と混迷と危機的状況にあることが把握できると思われます。

研究者、学部学生・大学院生、実務家の方々に、現代会計を考える上でぜひ一読いただきたい研究書ですね。

ぜひぜひご覧ください!