【大河ドラマ直前】『企業会計』渋沢栄一関連バックナンバー紹介

企業会計

 NHK大河ドラマ第60作『青天を衝け』が、2021年2月14日(日)より、いよいよ放送開始されます。主人公は「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一です。
 NHKのホームページによると、タイトルは渋沢栄一の読んだ詩の一節【勢衝青天攘臂躋 気穿白雲唾手征】から取られているとのこと。かなりの力強さを感じますね。
 江戸末期から明治といえば、最近は『西郷どん』『花燃ゆ』『八重の桜』『龍馬伝』等が思い浮かびます。どの作品も、様々な視点から激動の時代を描いた大作でした。今作は「経済」がテーマになるかと思われますが(もちろんまだわかりません)、いったいどのようなストーリーになるのでしょうか。
 「今から楽しみ」「渋沢栄一についてもっと知りたい」「次の1万円札の顔って誰?」という方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、弊誌『企業会計』が渋沢栄一にフィーチャーした記事や、その思想に関わるテーマの記事をご紹介します。(お肩書は発行当時のものです)


2019年11月号 特集
現代の会計に生きる渋沢栄一

 

■<巻頭インタビュー>長期投資・ESG・ガバナンス...現代にも通じる渋沢栄一の信念
 渋澤 健(コモンズ投信㈱ 取締役会長)
■実学と倫理としての商業教育はなぜ必要か
 山藤竜太郎(横浜市立大学准教授)
■ガバナンスの効いた組織をどうつくるか
 杉山里枝(國學院大學教授)
■企業は投資家とどう対話すべきか
 小野塚惠美(ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント㈱)
■私益と公益を両立できる合本主義とは何か
 橘川武郎(東京理科大学大学院教授)
■渋沢栄一の理念はどう継承されたか:札幌麦酒会社の植村澄三郎
 森 伸一(サッポロビール博物館 学芸員)
■渋沢栄一をもっとよく知るためのブックガイド
 松本和明(京都産業大学教授)
■渋沢栄一の生き様:その生涯と現代的意義
 井上 潤(渋沢史料館 館長)


会計の切り口で、渋沢栄一から何を学べるか? ガバナンスや投資家との対話、利益の捉え方等、現代に通じるポイントをたくさん詰め込みました。その生涯や薫陶を受けた人のエピソード、そしてブックガイドなども。渋沢栄一を知るならまずこの1冊。本記事を執筆するにあたり改めて読みなおしましたが、現代にも当てはまることばかりで(本特集のコンセプトですね)、百年前の人とは思えないほどの慧眼に驚きます。いや、もしかしたら、時代は変わっても大切なものは変わらない、ということなのでしょうか。



2019年1月号~12月号 連載
『論語と算盤』に学ぶ会計人の心得
 杉山里枝(國學院大學教授)

 

第1回 渋沢栄一とその経営理念
第2回 「処世と信条」から
第3回 立志と学問:自ら箸を取れ
第4回 常識と習慣:人生は努力にあり
第5回 仁義と富貴:よく集めよく散ぜよ
第6回 理想と迷信:道理ある希望を持て
第7回 人格と修養:平生の心掛けが必要
第8回 算盤と権利:合理的の経営
第9回 実業と士道:武士道は即ち実業道なり
第10回 教育と情誼:理論より実際
第11回 成敗と運命:成敗は身に残る糟粕
第12回 今こそ学ぶべき『論語と算盤』


渋沢栄一の言葉をまとめた『論語と算盤』。経験と思想の集大成ともいえるこの本から何が読み取れるのか。全12回でエッセンスを抽出しています。タイトルを並べただけでも荘厳な雰囲気がありますね。



2018年2月号 特集
存続か廃止か,それが問題? 相談役・顧問を見直す6つの着眼

 

■コーポレートガバナンスの視点で相談役・顧問を問い直す
 太子堂厚子(森・濱田松本法律事務所 弁護士)
■日本企業の相談役・顧問の実態: 存廃検討時の留意点
 林  拓矢(KPMGコンサルティング㈱)
■歴史に学ぶ相談役・顧問の活用法: 渋沢栄一はいかに関与したか
 石井里枝(國學院大學准教授)
■経済学からみる相談役・顧問: 経営者の退任「後」のキャリアとその影響
 齋藤卓爾(慶應義塾大学大学院准教授)
■法律の視点からみる相談役・顧問: インフォーマルな制度に対する法の限界
 松中 学(名古屋大学准教授)
■投資家からみる相談役・顧問: 経営変革をサポートできる存在なのか?
 窪田真之(楽天証券経済研究所長)


"To be, or not to be, that is the question?" 渋沢栄一は多くの企業設立に関わったことで有名ですが、相談役・顧問も多くの企業で務めていました。現代でもCGSガイドラインや未来投資戦略で注目されるこのポジション、一体どう見ればよいか? 様々な視点から切り込んだ企画です。



2020年1月号 特集
「株主第一主義」の先へ 多様化するステークホルダーと向き合う時代

 

■<座談会>企業によるエンゲージメントの時代――投資家との価値共創
 泉谷直木(アサヒグループホールディングス㈱ 取締役会長 兼 取締役会議長/佐藤淑子((一社)日本IR協議会 専務理事)/北川哲雄(青山学院大学名誉教授・首都大学東京特任教授)
■「株主VS経営者」二項対立時代の終焉――サステナビリティ経営の情報開示
 北川哲雄(青山学院大学名誉教授・首都大学東京特任教授)
■複雑化する非財務情報の開示基準等のゆくえ
 林 寿和(ニッセイアセットマネジメント㈱ チーフ・アナリスト)
■イギリス企業のCGコード対応にみる従業員とのエンゲージメント
 林 順一(青山学院大学国際マネジメント学術フロンティア・センター特別研究員)
■ファッション業界の最先端事例に学ぶ 消費者を巻き込んだ企業価値創造
 青沼 愛((一社)鎌倉サステナビリティ研究所 代表理事)/小崎亜依子((一社)鎌倉サステナビリティ研究所 理事)
■気候変動問題の内在化が企業価値を高める
 高村ゆかり(東京大学教授)
■「リスク」「リターン」に続く評価軸「インパクト」 サステナブルファイナンスとは何か
 加藤 晃(愛知産業大学教授)
■「社会にとってよい企業」への市場の評価とサステナビリティ
 大鹿智基(早稲田大学教授)/阪 智香(関西学院大学教授)/地道正行(関西学院大学教授)


2019年、米主要企業の経営者団体ビジネス・ラウンドテーブルが「株主第一主義」を見直し、従業員や地域社会などの利益を尊重した事業運営に取り組むと宣言し、世界の流れを変わりつつあります。株主だけでなくもっと広いステークホルダーを重視する視点は、渋沢栄一の理念である「合本主義」に通じる部分があります(イコールではありません)。企業は、そして社会は何を見ていくべきか、要チェックです。


2020年1月号~12月号 連載
簿記普及の知られざる立役者たち
 松本和明(京都産業大学教授)

 

第1・2回 A・シャンド
第3・4回 小林雄七郎
第5・6回 梅浦精一
第7・8回 外山脩造
第9・10回 遠藤敬止
第11・12回 小山健三

明治以降、近代日本にもたらされた「簿記」は連綿と受け継がれ、今日の会計の基盤となっています。しかしその普及に尽力した人々のことは意外と知らないもの。本連載では当時活躍した人物にフィーチャー。産業界や金融界の歴史をいつもとちょっと違う視点で学べます。渋沢栄一の名前も随所に登場。彼の影響力の強さを感じさせます。読むと大河が2倍楽しめる(かも)?


  • 『企業会計』2020年1月号
  • 『企業会計』2020年1月号
    定価:2,710円(税込)
    発売日:2019/12/04
    特集:「株主第一主義」の先へ
    特別企画:LIBOR改革が会計に与える影響

2021年1月号 Accounting Synergy
 渋澤 健(コモンズ投信㈱ 取締役会長兼ESG最高責任者)

インパクトで新時代の会計を作る

2019年11月号で巻頭インタビューにお答えいただいた渋澤健氏によるご寄稿です。企業が社会に与える「インパクト」に注目する考え方についてお書きいただきました。企業の価値は従来の財務情報だけにあらず。社会に根付く一存在として、その社会にどのような影響を及ぼすのかは、ステークホルダー全体の関心事。コロナ禍で将来への不安が膨らむなか、長期的な成長を目指すためのヒントも詰まっています。



いかがでしたでしょうか。新しい大河ドラマ、楽しみですね。
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