銀行員のコンサルティング力を高める中小・零細企業の事業性評価ハンドブック

寺嶋 直史
定価:3,520円(税込)

発行日:2022/04/27
A5判 / 272頁
ISBN:978-4-502-42851-7

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本の紹介
事業再生コンサルの知見をもとに事業性評価に必要な要素を抽出し、分析手法、問題解決の思考法、ヒアリング手法を実践的に解説。銀行員のコンサル力が格段にアップする1冊。

目次

Ⅰ 事業性評価を取り巻く環境の実態
第1章 事業性評価と中小・零細企業の実態
第2章 事業性評価のモデル「事業再生コンサルティング」の仕事

Ⅱ 中小・零細企業の事業性評価で押さえておくべき前提知識
第3章 事業性評価に必要な「中小・零細企業と大企業の違い」
第4章 経営・組織が成熟していると現れる「大企業病」
第5章 事前に押さえるべき「企業特性」

Ⅲ あらゆる角度で分析して経営状況を見極める「経営分析」
第6章 会社の経営状況の全体像を把握する
第7章 PLで収益状況と利益構造を把握する
第8章 財務分析で収益性・効率性・生産性・安全性を把握する

Ⅳ 「事業性評価シート」フォーマットと使用方法
第9章 「事業性評価シート」フォーマット
第10章 会社概要
第11章 内部環境分析(1) 経営・組織活動
第12章 内部環境分析(2) 営業・販売活動
第13章 内部環境分析(3) 製造活動
第14章 内部環境分析(4) 店舗活動(小売業・飲食業・サービス業)
第15章 内部環境分析(5) 卸売活動

その他、コラムとして業種別の事例を15本収録

著者紹介

寺嶋 直史(てらじま なおし)
[プロフィール]
事業再生コンサルタント、中小企業診断士。株式会社レヴィング・パートナー代表取締役。大手総合電機メーカーに15年在籍し、部門で社長賞を受賞する等、多数の業績に貢献、個人では幹部候補にも抜擢される。その後、独立してコンサルティング会社を立ち上げ、経営や業務の見直し、ブランディングのしくみ構築など、さまざまな問題解決により、多くの中小零細企業を再生に導いている。その他、1年で一流の経営コンサルタントを養成する「経営コンサルタント養成塾」の塾長として、金融知識、問題解決の思考法、ヒアリング手法などの基礎から、事業デューデリジェンス、財務分析、経営改善手法、事業計画、マーケティング・ブランディングなど、さまざまな講義をすべて1人で実施。著書に『再生コンサルティングの質を高める 事業デューデリジェンスの実務入門』(中央経済社)等がある。

担当編集者コメント
【読者限定特典】
本書をご購入いただいた方への特典として、本書でご紹介した「事業性評価シートサンプル」をWebからダウンロードしてご利用いただけます。詳細は本書巻末をご覧ください。
著者から
今こそ、銀行と銀行員が生き残るためのスキルを磨く!

本書は、地方銀行や信用金庫・信用組合の銀行員のコンサルティング力を高めるための書籍です。
現在の銀行による中小企業支援の手段はおおむね「融資」のみであり、経営改善の支援はほとんどおこなわれていません。そのため、業績悪化や資金繰り難で苦しんでいる中小企業は、融資が受けられなくなると、何の支援も受けられなくなります。

しかし、もし銀行員のコンサルティング力が向上すれば、銀行が「融資」だけでなく、「経営改善」や「業務改善」という手法で中小企業を支えることができるようになります。また、銀行員のコンサルティングのスキルが不十分であっても、一定の知識さえあれば、再生企業が放置されることなく、コンサルティング部門やコンサルティング会社へつないで支援を仰ぐことが可能になります。

日本はバブル崩壊以降、デフレによる長期の市場低迷、2002年の「金融検査マニュアル別冊」、2009年の「中小企業金融円滑化法(モラトリアム法案)」により、中小企業を取り巻く環境は大きく変化してきました。
具体的には、リスケや金融支援のハードルが大きく下がり、中小企業は経営改善計画書さえ作成すれば、その計画の実現可能性が低くても、金融支援を受けることが可能になったのです。その結果、倒産する中小企業は減少した一方で、「借入依存」に陥る中小企業が増えていきました。

そのような中、2016年に刊行された書籍『捨てられる銀行』(橋本卓典著、講談社刊)で取り上げられたように、「事業性評価」が注目を集めました。これは、かつて「銀行の健全性」に比重を置いていた銀行が、「企業の成長や満足度の向上を優先する」という新たな基軸を打ち立てたものでした。
ただし、事業性評価をおこなうためには、まずは銀行員のコンサルティング力を高めるしかありません。しかし残念ながら、その取り組みは実現されず、次第に事業性評価に対する意識は低下していきました。

そして近年、新型コロナウイルスの影響により、多くの中小企業が窮地に陥りました。ゼロゼロ融資や補助金などの支援で何とか経営を維持している状況です。その結果、中小企業の借入依存はますます進行し、多くの企業が借入過多で、約定返済が困難な状態に陥っています。
さらに、ロシアのウクライナ侵攻により、エネルギーなどが値上がりし、円安も合わさって、今後ますます国内市場は悪化すると想定され、これから中小企業の業績はさらに悪化すると思われます。
つまり、もはや中小企業の経営改善、業績改善は、待ったなしの状態なのです。

そこで、「事業性評価」のしくみを活用して銀行員のコンサルティング力を高め、銀行員が取引先の中小企業に対し、融資以外の経営改善のコンサルティング手法で支援できるように、本書を執筆しました。

私の仕事は事業再生コンサルティングで、業績が悪化した製造業・小売業・サービス業などさまざまな業種の中小企業に対し、経営改善や業務改善、そしてブランディングによる売上アップの支援をおこなって、PL/BSを改善することです。
ただし、「第二会社方式」のような「外科手術」ではなく、中小企業の問題解決(再生)、しくみ作り(自立)、売上アップ(成長)というように、徹底的に「内科手術」にこだわったコンサルティングであり、ヒト・モノ・カネのない再生企業を、新たな戦略と戦術の構築で再生に導いてきました。

本書にはそのさまざまなノウハウを盛り込み、コンサルティング未経験の人でも容易にノウハウを学べるように工夫した内容となっています。
ぜひ、多くの銀行員に本書を読んでいただき、コンサルティングのスキルを磨いて、日本全国の中小企業の経営改善と活性化の取り組みに活用していただきたいと思っています。