婚活との付き合いかた―婚活市場でこじらせないための行為戦略

高橋 勅徳
オオノ リサ

定価(紙 版):2,200円(税込)

発行日:2023/08/31
四六判 / 200頁
ISBN:978-4-502-47031-8

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本の紹介
マッチングアプリ、婚活パーティー、結婚相談所等の結婚支援サービスを支配する独特の力学をどう捉え、利用すべきか。男女それぞれで可能な行為戦略を経営学者の視点で探る。

目次

はじめに
婚活=自己責任論を見直そう
婚活市場の力学2.0と行為戦略としての婚活戦略

第1部 婚活を難しくする、市場の力学と男女の行為を知ろう
1 女子大生にとっての婚活というリアル
2 「選べない疲労」:マッチング・アプリを使った婚活
2.1 マッチング・アプリへの登録
2.2 気がつくと、イケメンを選んでしまう理由
2.3 繰り返される「同じようなやり取り」
3 対面の罠
3.1 婚活パーティーへの期待
3.2 男性のパターン化された行動
3.3 気がつくと、相手を減点法で評価してしまう
4  婚活市場における女性の分類
4.1 女性は婚活市場で「こじらせる」
4.2 婚活市場から撤退する女性、適応する女性、こじらせる女性
5 婚活市場の力学から問題を考え直す
5.1 改めて、女性による「選り好み」の発生原因を考え直してみよう
5.2 ショットガン・アプローチによる男女の「モノ化」
5.3 婚活市場の力学2.0:あたりまえの婚活戦略が婚活の困難を生み出す!

第2部 婚活戦略 男性編
1 男性はどう、婚活市場と付き合うことができるのか?
1.1 恋愛資本の有無から、最適な婚活支援サービスをまず考えよう
1.2 婚活市場の力学の基本を押さえよう
2 恋愛弱者男性に可能な婚活戦略とは?
2.1 婚活市場の力学を利用するために、恋愛弱者男性にとって最適・最悪の選択は何か?
2.2 恋愛弱者男性のターゲットになる女性は誰か?
2.3 コミュニケーションの円滑化のために趣味を極めてみよう
2.4 婚活市場とはターゲットを細分化することができる場である
3 恋愛強者・恋愛過多男性のための婚活戦略
3.1 恋愛強者・恋愛過多男性が婚活市場を利用するにあたっての注意点
3.2 恋愛強者・恋愛過多男性のターゲットとは?
3.3 恋愛強者・恋愛過多男性に最適な婚活サービス
3.4 選択肢を限定するために婚活支援サービスを利用しよう 
4 婚活市場の「外」にユートピアはあるのか?

第3部 婚活戦略 女性編
1 婚活女性が婚活で迷子にならないために
1.1 婚活市場における女性の「こじらせ方」に注目しよう
1.2 恋愛強者女性のこじらせ方:恋愛重視と玉の輿狙い
1.3 恋愛弱者女性のこじらせ方:付加価値の追求と婚活迷子
2 恋愛弱者女性のための婚活戦略
2.1 恋愛弱者女性が婚活迷子派にならないためには?
2.2 付加価値を追求する婚活戦略:「条件のインフレ」を目指そう
2.3 婚活迷子にならないために「外部装置」として結婚相談所を利用してみよう
2.4 恋愛弱者女性が恋愛結婚がしたくてこじらせないために
3 恋愛強者女性のための婚活戦略
3.1 恋愛強者女性の2類型
3.2 恋愛重視派の婚活戦略:「今までの生活では出会えなかった人」と出会う外部装置として婚活サービスを利用する
3.3 玉の輿婚派の恋愛戦略:自分の価値は減衰していくことを自覚する
3.4 「可視化され、比較される」場で、自分の「価値」を演出しよう
4 婚活戦略の新展開
4.1 ある日、新宿の喫茶店にて
4.2 婚活をエンジョイする?
4.3 恋愛と結婚の分離が生み出す戦略的目標の広がり
4.4 ロマンティック・マリッジ・イデオロギーを徹底的に追求しよう

第4部 企業編 婚活支援サービス業への提案
1 婚活支援サービス業の新しいビジネスモデルの探索
1.1 婚活支援サービス業に共通するビジネスモデル
1.2 価格設定による集客と差別化
1.3 婚活市場の拡大がもたらす不幸な結末
2 婚活市場の現在の仕組みを活かすには?
2.1 婚活のボトルネックはどこか? 
2.2 男女がこじらせた先に求めているもの 
2.3 正統化の力:仲人機能の強み
2.4 婚活スコア制度の提案
3 婚活支援サービス業に新しい仕組みはありえるのか?
3.1 「ショットガン」や「こじらせ」は物理的に予防できる
3.2 値付けマッチング
3.3 AIオートマッチングの可能性

おわりに
女性にとっての婚活2.0を目指したつもりで
改めて、本書の目的を振り返って
婚活市場の力学を、女性が知っておくことの意味
すべての婚活女性が、納得して交際・結婚できることを願って

引用文献一覧

著者紹介

高橋 勅徳(たかはし みさのり)
[プロフィール]
東京都立大学大学院経営学研究科准教授。
神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程修了。2002年神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程修了。博士(経営学)。
沖縄大学法経学部専任講師、滋賀大学経済学部准教授、首都大学東京大学院社会科学研究科准教授を経て現職。
専攻は企業家研究、ソーシャル・イノベーション論。
2009年、第4回日本ベンチャー学会清成忠男賞本賞受賞。2019年、日本NPO学会 第17回日本NPO学会賞 優秀賞受賞。

[主な著作]
企業家の社会的構成:起業を介した組織/集団の再生産と起業家精神』(滋賀大学経済学部研究叢書)、『制度的企業家』(共著、ナカニシヤ出版)、『ソーシャル・イノベーションを理論化する:切り拓かれる社会企業家の新たな実践』(共著、文眞堂)など

オオノ リサ(おおの りさ)