AIを金融ビジネスに実装する

クララ・デュロディエ
竹腰 尚美

定価(紙 版):4,180円(税込)

発行日:2022/04/28
A5判 / 332頁
ISBN:978-4-502-41551-7

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本の紹介
スタートアップ企業はもとより、既存金融機関がAIを知り、導入するための基礎知識、戦略、フレームワーク、方策を偏りなく具体的に解説し、社内で議論すべき論点を整理。

目次

まえがき
  なぜ本書を執筆したのか
  誰がこの本を読むべきか
  倫理的AIはなぜ必要なのか
  本書を通して学べること
  本書の構成

第1章 知能とは
  恐怖,そしてマインドセットの衝突
  説明できないことを説明したいという欲求
  人を超える機械?
  テクノロジーによる倫理的行動を数学を使って
  コーディングできるのか?
  AIは宗教的信念を排除するか
  機械知能と人間知能
  脳と心
  本章のキーポイント

第2章 人工知能の分類法
  AI,AIトライブ(族),およびAI手法の定義
  人工知能技術:概要
  AIの他の主なサブセット
  取締役会が尋ねるべき質問の例
  本章のキーポイント

第3章 人工知能に必要な前提条件
  データの類型
  データインフラストラクチャ
  データ準備と保管
  データ戦略の実装原則
  クラウド技術とAI-as-a-Service(サービスとしてのAI)
  計算リソース/ハードウェア
  取締役会が尋ねるべき質問例
  本章のキーポイント

第4章 AIの現在―進化,発展と投資
  テクノロジーの成熟サイクル
  AI進化の波
  広報活動目的でのAIへの投資
  ベンチャーキャピタル(VC)とコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)
  AI企業への投資に際してのデューデリジェンス
  AI企業の概況
  AIフィンテックのエコシステム
  ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)は死んだ?
  加速する変革
  計算処理能力への投資
  AIを活用した投資
  産学AI研究
  AI開発における政府の役割
  取締役会が尋ねるべき質問例
  本章のキーポイント

第5章 コーポレートガバナンスとAI活用
  AIガバナンスの5つの重要な側面
  AI倫理の原則
  説明責任
  AIの安全性
  バイアス:データは忘れない
  プライバシー
  アイデンティティ,認証とAI
  情報戦争
  独占禁止法と競争法
  AIの経済的影響
  規制,原理原則とガイドライン
  企業のAI倫理委員会
  ノーモア・ブラックボックス:説明可能なAI
  アルゴリズム間の共謀
  協調的なAIガバナンスの地政学
  欧州委員会のAI包括規制案
  AIリスクの管理
  汎用人工知能(AGI)
  取締役会が尋ねるべき質問例
  本章のキーポイント

第6章 取締役会による監視とAIの採用
  取締役会による監視
  AI活用と取締役会の生産性
  AIリテラシーのある取締役会
  取締役会のAI取締役
  AIリーダーシップ
  取締役会の類型とデジタルトランスフォメーション
  取締役会が尋ねるべき質問例
  本章のキーポイント

第7章 ビジネスにおけるAIの戦略的採用
  適応するか去るか
  金融サービスにおけるAIの定義
  AIについて何から着手するべきか
  変化に対する社内抵抗勢力への対処法
  データドリブンな事業 対 AIドリブンな事業
  AIの採用:主なメリット
  AIアドバイザーの選択
  AI戦略
  人材戦略上の考慮事項
  規制設計におけるAI
  研究開発センター
  取締役会が尋ねるべき質問の例
  本章のキーポイント

第8章 AIによる金融サービスの革新
  資産運用
  ウェルスマネジメント
  リテールバンキング
  決済
  融資
  保険
  プライベートエクイティ
  資本市場
  中央銀行,規制当局,政策立案者
  特殊なケース:信用組合
  特殊なケース:金融包摂
  取締役会が尋ねるべき質問の例
  本章のキーポイント

第9章 AIアプリケーション
  顧客サービス
  ポートフォリオ管理
  営業とマーケティング
  人事
  法務
  リスク管理とコンプライアンス
  不正防止
  財務機能
  情報技術(IT)インフラストラクチャ
  AIプロジェクトのスケーリング(拡張)
  取締役会が尋ねるべき質問の例
  本章のキーポイント

第10章 未来について
  金融業界はどのように信頼を取り戻せるのか
  現代の金融家
  利益よりもプリンシプル(原理原則)
  AIは誇大広告?警戒すべし
  プライバシー,アイデンティティ,データの共有と保護
  データ価値戦略
  ブロックチェーン,GDPR,およびデータ供給
  サイバーセキュリティ
  アフェクティブ・コンピューティング(感情コンピューティング)
  5Gネットワーク
  自社のエンジニアリング能力
  時代遅れのインフラストラクチャとつぎはぎのアップグレード
  バイオエンジニアリング(生体工学):将来の顧客?
  量子コンピューティング
  次世代のリーダーシップ
  顧客の期待:月次データ報告書
  AIスーパーハブ

著者紹介

クララ・デュロディエ(Clara Durodié)
[プロフィール]
企業取締役、テクノロジー・ストラテジスト。金融業の事業・収益拡大への倫理的AIの活用を専門とする。AIとコーポレートガバナンス、戦略、AI活用による事業変革、データの戦略的活用などの分野において国際的にも評価され、企業取締役会、ファンドおよび政府機関に対しても多数助言を行う。AIフィンテック企業に対するメンター、投資家、社外取締役も務める。世界経済フォーラムの第4次産業革命センター(サンフランシスコ)、英国の超党派AI議員連盟や日本の総務省のAI特別委員会などにも知見を提供した。また2018年6月にはEU付属機関である欧州連合人工知能アライアンスの委員に就任。その他、カンファレンス講演者としてSIBOS、Money2020等に登壇、オックスフォード大学やマサチューセッツ工科大学等で招聘講師として教鞭を取った。AIへの関与を始めた2014年以前は英国、スイス、ルクセンブルグの資産運用・ウェルスマネジメント会社で幹部を務めた。オックスフォード大学修士。ロンドン在住。
Twitter: @clara_durodie

竹腰 尚美(たけごし なおみ)
[プロフィール]
駐日英国大使館にて25年間、スコッチ・ウィスキーから金融サービスにわたる広い領域において英国企業の対日輸出・進出支援業務に携わった後、日本での英国プロモーションの経験を個別企業の対日進出サポート、日本の海外向けプロモーションに活かすべく独立。現在、東京の資産運用エコシステムの形成をめざす一般社団法人国際資産運用センター推進機構(JIAM)、国際金融都市東京の海外プロモーションを行う一般社団法人東京国際金融機構(FinCity.Tokyo)及び日本経済新聞社・金融庁共催FIN/SUM事務局などに参画。慶應義塾大学卒業。