レピュテーション・マネジメント―内部統制・管理会計・監査による評判の管理

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櫻井 通晴

定価(紙 版):3,740円(税込)

発行日:2008/03/24
A5判 / 420頁
ISBN:978-4-502-28310-9

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本の紹介
多くの企業が不祥事により会社の評判を落とし、企業価値を減少させあるいは倒産に至ってきた。企業不祥事を防止し、評判を管理し、好業績に結びつける方法をケースにより検討した話題作。

目次


レピュテーション・マネジメント
目次

 はしがき

 序  章
  ? 日本経済の再生によって失われたもの
  ? トリプル・ボトムラインとコーポレート・レピュテーション
  ? 本書の構成

第1部 レピュテーション・マネジメントの役割と課題
 第1章 管理会計におけるコーポレート・レピュテーションの課題
  ? 環境の変化と管理会計研究の変遷
   1 工業経済社会の管理会計
   2 ポスト工業化社会における管理会計への役割期待
  ? インタンジブルズの研究の必要性とその研究領域
   1 無形資産とインタンジブルズ
   2 インタンジブルズの研究テーマ
  ? コーポレート・レピュテーションの論点整理
  ? まとめ

 第2章 管理会計における無形の資産のマネジメント
  ? なぜ無形の資産のマネジメントが必要か
   1 無形の資産とは何か
   2 インタンジブルズが企業価値の多くを創造する社会の出現
  ? 管理会計にとってどの無形の資産の分類基準が重要か
   1 無形の資産を知的資産とイコールの関係でみる見解
   2 無形の資産をインタンジブルズと解する見解
  ? 人的資産,情報資産,組織資産のマネジメント
  ? コーポレート・レピュテーションの資産性
   1 コーポレート・レピュテーションはオンバランスされるか
   2 コーポレート・レピュテーションには将来の経済的便益がある
   3 財務会計上で資産として認めることができるか? ……ほか
  ? レピュテーション・マネジメント
   1 コーポレート・レピュテーションの特質
   2 日本の経営者はレピュテーションをマネジメントできると
      みているか
   3 コーポレート・レピュテーションのマネジメント
  ? まとめ

 第3章 レピュテーション・マネジメントによる競争優位の確保
  ? なぜレピュテーション・マネジメントが重要か
   1 インタンジブルズの役割の増大
   2 コーポレート・レピュテーションの向上は財務業績を高める
   3 反社会的な行為を許さない社会 ……ほか
  ? レピュテーション・マネジメントの便益
   1 コーポレート・レピュテーション概念の歴史的考察
   2 コーポレート・レピュテーションを資産として管理することの意義
   3 レピュテーション・マネジメントの9つの効果 ……ほか
  ? イメージ,ブランドのマネジメントとの違い
   1 コーポレート・イメージのマネジメント
   2 ブランドは管理会計の研究対象になりうるか
   3 コーポレート・レピュテーションのマネジメント−ブランドとの
      対比において ……ほか
  ? レピュテーションリスク・マネジメントとキャッシュフロー
   1 リスクマネジメントの意義
   2 レピュテーションリスクの領域
   3 レピュテーションによるキャッシュフロー・マネジメント
  ? まとめ

 第4章 レピュテーション・マネジメントによる企業価値の増大
  ? コーポレート・レピュテーションの本質的特徴
     ―口コミ,イメージ,ブランドとの相違点―
   1 レピュテーション資産が企業を救う
   2 レピュテーションとイメージ,ブランドとの関係
   3 なぜコーポレート・レピュテーションのマネジメントか
  ? コーポレート・レピュテーションのマネジメント
   1 企業価値とは何か
   2 コーポレート・レピュテーションの構造
   3 レピュテーション・マネジメント向上のためには何が必要か
  ? CSRはコーポレート・レピュテーションの向上に貢献するか
   1 CSRとは何か
   2 CSRとコーポレート・レピュテーションとはどこが違うか
   3 CSRに対する3つのアプローチ ……ほか
  ? コーポレート・レピュテーション指標
   1 なぜ,どのレピュテーション指標か
   2 Fortune誌の“最も称賛される企業”
   3 The Wall Street Journal紙の“RQsm調査” ……ほか
  ? コーポレート・レピュテーションによる企業価値の測定
   1 ケースでみるコーポレート・レピュテーションの向上と企業価値
   2 実証研究の結果−コーポレート・レピュテーションと企業価値
  ? コーポレート・レピュテーションの毀損による企業価値の減少
   1 負のコーポレート・レピュテーションと無形負債
   2 コーポレート・レピュテーション毀損のケース・スタディ
  ? まとめ

 第5章 レピュテーション・マネジメントの方法
  ? レピュテーション監査の意義と有効性
   1 レピュテーション監査とは何か
   2 レピュテーション監査の方法
   3 レピュテーション監査ではレピュテーション指数を活用する
      ……ほか
  ? レピュテーション・マネジメントに関する諸見解
   1 レピュテーション・マネジメントの10原則
   2 日本企業が最も犯しやすいコンプライアンス上の問題点
   3 オールソップのアプローチ
  ? レピュテーション・マネジメントの担当組織
   1 コーポレート・レピュテーションは企業内部の問題である
   2 レピュテーション・マネジメントは誰が行なうのか
   3 レピュテーション担当役員設置の提案
  ? ロイヤル・ダッチ/シェル社のレピュテーション・マネジメント
   1 シェルはなぜレピュテーション・マネジメントを実施したのか
   2 ベンチマーキングから得られたもの
   3 “世界で最も称賛される企業“になること ……ほか
  ? まとめ

第2部 会計手法によるレピュテーション・マネジメント
 第6章 内部統制とコーポレート・レピュテーション
       ―内部統制の概念の変貌と内部監査―
  ? 伝統的な内部統制と“近代内部監査”の概念
   1 内部統制の代表的見解
   2 内部監査の対象は会計監査,業務監査,経営監査
   3 経営監査とは何か
  ? 新しい時代の内部統制は何が変わったか
   1 COSOの内部統制概念
   2 SOX法のインパクト
   3 財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準 ……ほか
  ? 監査役に求められるコーポレート・ガバナンスの役割
   1 株式会社におけるコーポレート・ガバナンス体制
   2 内部監査人の役割と限界
   3 監査役の役割の高まりと会計監査人の選任
  ? 新しい意味での内部統制とコーポレート・レピュテーション
   1 コーポレート・レピュテーションはマネジメントできる
   2 コーポレート・レピュテーションを低下させない方策
   3 公益通報制度によるコーポレート・レピュテーションの向上
      ……ほか
  ? まとめ

 第7章 ERMのコーポレート・レピュテーションへの貢献
       ―ERMと内部統制との統合は企業価値を高めるか―
  ? 伝統的なリスクマネジメントとERM
   1 伝統的なリスクマネジメント
   2 ERMとは何か
   3 伝統的なリスクマネジメントとERMの相違
  ? 内部統制にとってのERMの有効性
   1 ERMの本質的特徴
   2 内部統制におけるERMの3つの見解
  ? 内部統制におけるCOSOのリスクアプローチの妥当性
   1 内部統制や監査の立場からするリスクアプローチ
   2 なぜCOSOはリスクを損失発生の“危険”に限定したのか
  ? ERMとコーポレート・レピュテーション
   1 レピュテーションリスク・マネジメントの貢献
   2 レピュテーションリスク・マネジメントの領域
  ? ERMにもとづく内部統制による企業価値の創造
   1 ERMは株主価値の向上に貢献するか
   2 日本企業にとって必要なのは株主価値か,
      それとも企業価値か
  ? まとめ

 第8章 IT内部統制とレピュテーション・マネジメント
  ? コーポレート・ガバナンスとITガバナンス
   1 ITガバナンスがなぜ求められるか
   2 ITガバナンスとは何か, CIOの役割は何か
  ? ITガバナンスのためのCobiT
   1 CobiTのガイドラインとIT統制システム
   2 CobiTのフレームワーク
   3 IT内部統制の構成要素
  ? COSOの構成要素とCobiTのIT投資ガイドライン
   1 CobiTの役割
   2 CobiTのITプロセス
  ? CobiTの枠組みとプロセス成果の測定
   1 プロセス成果の測定―KGI,KPI,CSF―
   2 成熟度モデル
   3 情報ニーズ
  ? ITによるレピュテーション・マネジメント
   1 IT内部統制とCobiT
   2 コーポレート・レピュテーションの向上に果たすCIOの役割
   3 レピュテーション・マネジメントの要は日々の経営活動にあり
  ? まとめ

 第9章 バランスト・スコアカードを用いた内部監査部門の評価
  ? 内部監査部門へのバランスト・スコアカード適用の可能性
   1 内部監査とは何か,また内部統制との関係は?
   2 内部統制へのバランスト・スコアカードの適用
  ? 内部監査部門における4つの視点
   1 バランスト・スコアカードの4つの視点
   2 財務の視点をもつべきか
   3 顧客の視点はマネジメントが主体 ……ほか
  ? 戦略マップ
   1 戦略マップのテンプレート
   2 因果関係の連鎖と内部監査のバランスト・スコアカードの特徴
  ? 業績評価とCFS, KPIの活用
   1 業績評価指標と視点との関係
   2 内部監査部門の戦略テーマ
  ? 内部監査はコーポレート・レピュテーションの向上に貢献するか
   1 内部監査とコーポレート・レピュテーション
   2 内部統制,内部監査とリスクマネジメント
  ? まとめ

 第10章 バランスト・スコアカードによるレピュテーション・マネジメント
  ? バランスト・スコアカードのレピュテーション・マネジメントへの
     活用
   1 ビジョンや戦略の妥当性の検証
   2 業績評価指標による経営者と従業員の行為の管理
   3 ステークホルダーによる評価 ……ほか
  ? レピュテーション・マネジメントのための指標の有効性
   1 “最も称賛される企業”と“RQsmスコア”の指標
   2 実証研究の結果からみたレピュテーションの源泉
   3 “RQsmスコア”とバランスト・スコアカードの親和性
  ? レピュテーション・マネジメントのための4つの視点と指標
   1 コーポレート・レピュテーションのための4つの視点
   2 4つの視点における指標
  ? コーポレート・レピュテーションと企業価値の増大
   1 経済価値,社会価値,組織価値
   2 経済価値,社会価値,組織価値と企業価値との関係
   3 戦略マップの作成
  ? レピュテーション・マネジメントのための管理モデル
   1 指標の数と項目
   2 評価モデル
  ? まとめ

第3部 ケース・スタディ
 第11章 カネボウの粉飾決算とエンロン事件から学ぶもの
        ―旧中央青山とアンダーセンとの対比を含めて―
  ? カネボウ事件の概要
   1 カネボウ事件とは何か
   2 不正な会計処理の方法
   3 粉飾はなぜ行なわれたか
  ? 旧中央青山監査法人の公訴内容とその原因
   1 会計監査人はなぜ不正行為を見過ごしたか
   2 公認会計士と倫理観
  ? エンロン事件,アーサーアンダーセン事件との対比
   1 エンロン事件とは何か
   2 アーサーアンダーセンの関与
  ? “不正のトライアングル”による犯罪性の検証
   1 不正の発生原因
   2 経営幹部のトライアングル
   3 会計監査人のトライアングル
  ? 企業と監査法人で同じ誤りを犯さないための施策
   1 企業改革法
   2 監査法人での改革の方向
   3 監査法人のあり方
  ? まとめ

 第12章 松下のCSR活動とコーポレート・レピュテーション
        ― FF式石油温風機事故との関係で―
  ? FF式石油温風機事故とは何か
   1 事故の概要
   2 松下の対応
   3 B to C企業でのレピュテーションの財務業績への影響
  ? 現在の株価と財務業績など経済価値への影響
   1 経済価値とは何か
   2 経済価値の測定
  ? 松下の大改革が業績へのダメージの少ない真の理由であるか
   1 組織改革
   2 生産システムの改革
   3 業績評価システム ……ほか
  ? PRがダメージ軽減の真の理由であるといえるか
   1 具体的な対策
   2 対策の効果
  ? CSRの取り組みとコーポレート・レピュテーションの向上
   1 松下のCSRとは何か
   2 再発防止の最善の方策
   3 社会価値や組織価値の向上効果
  ? まとめ

 第13章 島津製作所におけるノーベル賞受賞の企業価値への貢献
  ? 会社概要と研究方法
   1 島津製作所の概要と研究目的
   2 研究方法
  ? ヒアリング内容とその分析
   1 島津製作所における会社の評価,信頼を高めるための方策
   2 田中耕一氏のノーベル賞の受賞と企業価値のインパクト
   3 公的組織と企業における信頼マネジメントとの相違
  ? 島津製作所の田中耕一氏によるノーベル賞の受賞の
     企業価値への貢献
   1 2003年3月の業績回復へのインパクト
   2 田中耕一氏受賞の経済価値への貢献
   3 社会価値と組織価値への貢献
  ? まとめ
  資料:社是・経営理念・行動原則

 第14章 YKKの世界戦略とレピュテーション・マネジメント
  ? YKKはニッチ産業で活躍するグローバル企業
   1 YKKの現状
   2 YKKの生産プロセスの特徴
   3 海外事業の展開
  ? YKKの企業価値はコーポレート・バリュー
   1 創業者,吉田忠雄氏の「善の巡環」
   2 コーポレート・バリューとは何か
   3 新しい企業価値を求めて
  ? 過去・現在・将来のコアバリュー,「品質」
   1 スライダー,エレメント,テープ
   2 顧客優先主義と品質の維持
   3 中国との競争と共生
  ? 発祥の地,黒部が技術の総本山
   1 地方での技術開発,生産は社会貢献でもある
   2 黒部は技術の総本山
  ? 非上場とコーポレート・ガバナンス
   1 ムーディーズの格付け
   2 社員持ち株制度
   3 非上場のメリット ……ほか
  ? まとめ

 第15章 トヨタはなぜコーポレート・レピュテーションが高いのか
  ? トヨタは世界を代表する超優良企業
   1 トヨタの財務業績と世界シェア
   2 トヨタはグローカルな企業である
  ? 一貫した価値観
   1 創業の理念
   2 トヨタの基本理念
   3 従業員,サプライヤー,顧客を大切にする
  ? 管理会計における革新―原価企画
   1 原価企画とは何か
   2 伝統的な管理会計手法―標準原価計算―との違い
   3 原価企画のメカニズム ……ほか
  ? 徹底したコスト低減と高品質,技術へのこだわり
   1 トヨタの圧倒的な高品質
   2 トヨタ・プロダクションシステムとリーンマネジメント
   3 ジャストインタイム(カンバン方式) ……ほか
  ? 典型的な日本企業とは異なるトヨタの特徴
   1 独自の経営手法を創発
   2 ビジョンや戦略に従った品質向上と原価低減活動
   3 常に現状に満足せず,日々反省して努力する経営姿勢
  ? 結語

 結  章
  ? レピュテーション・マネジメントの役割と課題
  ? 会計手法によるレピュテーション・マネジメント
  ? ケース・スタディから導かれるコーポレート・レピュテーションの
     特徴
   1 ケース・スタディ
   2 高いコーポレート・レピュテーションの会社に共通する特徴
  ? まとめ−結びに代えて

 索  引

著者プロフィール 櫻井 通晴(さくらい みちはる)
現職:城西国際大学客員教授(専任),専修大学名誉教授。
商学博士。
?SRA監査役,(独)独情報処理推進機構監事,総務省政策評価・評価委員会臨時委員等。
略歴:早稲田大学大学院商学研究科博士課程修了,ハーバード大学ビジネススクール・フルブライト上級客員研究員。
ロンドン大学大学院(LSE)客員教授,放送大学客員教授,早稲田大学商学研究科・アジア太平洋研究科客員教授,公認会計士第二次試験・第三次試験委員,産業構造審議会委員,電気事業審議会委員,日本原価計算研究学会会長,日本学術振興会専門研究員,NTTオートリース取締役,NTTドコモ監査役,東京医科大学監事等を歴任。

主要著書:
『バランスト・スコアカード 改訂版』(同文舘,08),
『企業価値創造の管理会計』(編著・同文舘,07),
『ソフトウエア管理会計 第2版』(白桃書房,06),
『コーポレート・レピュテーション』(中央経済社,05),
『管理会計 第3版』(同文舘,04),
『バランスト・スコアカード』(同文舘,03),
『企業価値創造のためのABC,バランスト・スコアカード』(編著;同文舘,02),
『ソフトウエア管理会計』(同文舘,01),
『管理会計辞典』(編者;同文舘,00),
『新版 間接費の管理』(中央経済社,1998)等(年1冊のみ掲載)。



























著者紹介

櫻井 通晴(さくらい みちはる)