企業価値を向上させる退職給付制度の運営

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浅岡 泰史
本部 崇仁
喜多 幸之助

定価(紙 版):3,630円(税込)

発行日:2008/12/12
A5判 / 340頁
ISBN:978-4-502-66420-5

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本の紹介
国際会計基準を見据え、企業年金を金融子会社として捉えて新しい制度運営を提案。人事制度の延長ではなく、企業経営の立場から企業価値を高める退職給付制度の設計・運営を検討。

目次


企業価値を向上させる
退職給付制度の運営

目次

 はじめに
 
第1章 失われた10年が示唆する今後の企業経営の方向
 1 失われた10年の背景
 2 失われた10年が示唆すること
 3 企業価値向上における人的資本の重要性
 4 人的資本活用のための退職給付制度

第2章 望ましい総報酬配分方法
 1 終身雇用制の実質的崩壊
 2 先進国の低成長定着とシンクロナイズ化の進展
 3 企業会計制度の世界的統一化
 4 英国・米国における確定給付年金制度見直しの背景と誤解

第3章 企業経営の観点からの退職給付制度比較
 1 企業価値向上のための退職給付制度を検討する際のポイント
 2 各退職給付制度の長所と短所
 3 さまざまな年金制度について
 4 DC企業年金の隠れたリスク
 5 望ましい退職給付制度検討の際のポイント

第4章 退職給付制度が企業会計に与える影響
 1 退職給付制度の企業会計上の取扱い
 2 退職給付会計と財務諸表

第5章 一事業体としてみたDB企業年金制度
 1 財務戦略の一環としての退職給付制度
 2 DB企業年金制度と企業との関係
 3 資産運用における効率性の向上
 4 企業年金制度にかかる節税効果

第6章 DB企業年金のファンディング
 1 年金財政の基本的な考え方
 2 予定利率設定の基本
 3 運用リスクをとることの意味と予定利率
 4 運用リスクと掛金計画とのバランス
 5 現在の予定利率設定の課題と限界
 6 運用リスクを意識した予定利率の設定方法
 7 予定利率設定に関するまとめ
 8 キャッシュバランス制度の予定再評価率の設定
 9 財政運営の未来について考える

第7章 DB企業年金の財務リスク管理
 1 財務リスクの分類
 2 運用リスクの管理
 3 金利リスクの最小化:債務マッチング運用
 4 長寿リスクへの備え
 5 インフレリスクへの配慮の必要性

第8章 DB企業年金における運用リスク
 1 運用リスクの大きさに関する考え方
 2 運用リスクの種類に関する考え方
 3 運用リスク管理に関する最近の議論
 4 基本運営ルールの設定
 5 退職給付信託

第9章 ある企業におけるケーススタディ
 1 財務データの確認
 2 財務データから判断するDB企業年金の影響
 3 年金ALM分析

第10章 DB企業年金制度の管理体制―ガバナンス
 1 管理体制の違い(基金型と規約型)
 2 受託者責任法制から見た企業に許される意思決定の範囲
 3 企業体系別年金ガバナンス

第11章 DC企業年金のリスクと運営にあたっての留意点
 1 想定利回りに込められた企業側の意図
 2 DC企業年金の抱えるリスク
 3 米国における新潮流と日本への示唆

補章 事業合併・分割時における退職給付制度の財務,
    会計面の影響

 1 合併の場合
 2 分割の場合
 3 給付減額または終了の場合

 結びにかえて

 参考文献

 索  引

著者プロフィール 浅 岡 泰 史

本 部 崇 仁

喜 多 幸之助



























著者紹介

浅岡 泰史(あさおか やすちか)

本部 崇仁(ほんべ たかひと)

喜多 幸之助(きた こうのすけ)

担当編集者コメント
 本書では将来のルール変更も見据えた上で、退職給付制度の運営に対する新しいアプローチを提案することを試みている。すなわち、退職給付制度を人事報奨のための付随的な制度として捕らえるのでなく、企業価値を高めることに資するような制度として、その運営のあり方を、企業経営の立場から論じている。
著者から
 筆者たちも、本書で提案しているさまざまな「リスクへの対応方策」とその検討のアプローチが完璧とは考えておらず、さらなる精進の必要性を痛感している。しかしながら、退職給付制度、とりわけDB企業年金制度が「企業価値向上」のための重要な役割を担っており、欧米に比して柔軟な制度設計が可能なわが国は、DB企業年金制度が本来の役割を担い続ける、世界でも数少ない国の1つであると確信している。
 本書がきっかけとなって、企業経営者を含めた関係者の間での議論がいたる所で巻き起こり、世界に冠たる退職給付制度の運営・管理が実践されていけば、これに勝る喜びはない。