『財務会計講義〈第21版〉』(2021年1月特集)

特集バックナンバー

2020年12月に、中央経済社の「ビジネス専門書online」がリニューアルしました。これを機に、読者の皆様が本を選ぶ際に参考としていただければ...!との思いをもとに、テーマごとに数点ずつ本を選んで担当編集者のコメントとともにご紹介する特集を掲載していくこととしました。
記念すべき第1回目の特集では、中央経済社の歴史を物語り、現在も読み継がれている本をご紹介します。大学の講義で、資格試験の勉強で、あるいは実務の傍らにと、過去に愛読された方もいらっしゃるのではないでしょうか。担当編集者に本の歴史や編集の秘話を語ってもらいましたので、ぜひご覧ください。
この記事では、『財務会計講義』(桜井久勝 著)について取り上げます。


Q1 書籍はいつ頃から発刊されていますか。

 

第1版第1刷は1994年12月発行ですので、2020年12月で26年になります。


Q2 平易に本の内容をご紹介ください。

 

書名のとおり、財務会計の全体像を解説したテキストです。
近年財務会計の領域は次々と新設・改訂される会計基準等の影響を受けてボリュームが大きくなっていますが、本書は全体を網羅しつつ本文420頁に凝縮している点が大きな特徴です。


Q3 現在発行されているものは、初期のものと比較して、時代に応じてどのような変遷を辿ってきましたか?

刊行当初、実は今よりもっと頁数があり、また価格が高かったんです。
しかし、徐々に評価されて売れてきたことを受けて、第9版→第10版に改訂する際(2009年)に、①全面的にシャープな感じに、そして2色刷りに組み直して、②価格を下げて、さらに手に取りやすく大きくリニューアルして、現在の形になっています。


Q4 この本を「今」どのような人に、あるいはどのような場面で読んでいただきたいですか?

本書はもともと大学の学部講義用にわかりやすく内容を伝えることを目的につくられたので、まずは大学生・大学院生に幅広く読んでいただきたいテキストです。
また、本書は財務会計の全体像と基本的な考え方が明解に示されていることから、公認会計士試験・税理士試験・簿記検定試験の試験対策にも有効で、実際受験生にも広く読まれています。
さらに、一般のビジネスパーソンが財務会計のキホンをおさえるにも有益でしょう。


Q5 装丁を考える際にイメージされていたことやこだわり等ありますか?

長く読まれ続けている書籍ですので、飽きが来ないようにシンプルな仕上がりになるようにイメージして、今の形になっています。
帯の「日本一読まれている財務会計のテキスト」は、こうするまで毎年その版で変わった点を書いていたのですが、インパクトがないな~と思っていたところ、ある経済学のテキストで「日本一読まれている・・・」とあったので、これだ!と思い採用しました。
桜井先生は非常に謙虚なお人柄なので嫌がるかなと思って、実は先生には相談せず数年前勝手に書いちゃいました。
きっと今も苦笑いされていると思いますが、より本書をアピールできたのではないかとひそかに考えています。