

資本剰余金配当とタックス・インセンティブ―外国子会社・プロラタ計算・混合配当
- 本の紹介
- 資本剰余金を原資とする配当に係る税務上の取扱いに潜むタックス・インセンティブを明確化できるか。本書は会社法、企業会計、法人税法の3つの観点から考察する研究書。
目次
序 章 問題の所在と本研究のアプローチ
第Ⅰ部 資本剰余金の額の減少に伴う配当の史的考察
第1章 2001(平成13)年6月の商法改正による影響
第2章 会社法施行に伴う改正論点
第Ⅱ部 混合配当に潜むタックス・インセンティブ
第3章 先後関係問題にみる新たな知見
第4章 資本の払戻し食込み問題による影響
第5章 有価証券譲渡対価と譲渡原価の対応関係の歪み
第6章 配当手段と揺らぐ課税関係
補 章 第4の配当手段―資本組入型に係る検証―
第Ⅲ部 税務訴訟から考察する新たな課題
第7章 混合配当が争点とされた裁決例・裁判例
第8章 国際興業管理事件における租税回避のスキーム
第9章 剰余金配当割合より生ずる税負担の差異
- 担当編集者コメント
- 「資本剰余金を原資とする配当に潜むタックス・インセンティブを明確化できるか?」
これが本研究のモチーフです。
本書ではこの命題を学際的な観点から複眼的に検討するため、資本剰余金を原資とする配当に係る史実、制度自体の問題、司法上の課題に関して、会社法、企業会計、法人税法という3つの観点からの考察しています。
「第Ⅰ部 資本剰余金の額の減少に伴う配当の史的考察」では、資本剰余金の額の減少に伴う配当の変遷を整理しています。
「第Ⅱ部 混合配当に潜むタックス・インセンティブ」では、2006(平成18)年度税制改正以降に着目された混合配当をめぐる論点を取り上げています。
「第Ⅲ部 税務訴訟から考察する新たな課題」では近年の裁決例および裁判例を考察した上で、そこで明らかになった資金還流のスキームを考察しています。さらに、混合配当の税負担にさらなる影響を与える付加的要素に関しても検証しています。
租税法、税務会計、財政学等の税に関する研究者のみならず、実務家にも本質や問題点を明確に把握できる有益な研究書です。
ぜひご一読ください!