直接原価計算論―学説の変遷とわが国での展開

高橋 賢

定価(紙 版):5,170円(税込)

発行日:2024/07/17
A5判 / 240頁
ISBN:978-4-502-50251-4

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本の紹介
Harris、Marple、Wright、Horngrenの4人の泰斗の学説を分析して、また戦後の日本固有の展開を描き出すことにより、直接原価計算の本質を解明。

目次

序 章 本書の目的と構成
第Ⅰ部 経営管理ツールとしての直接原価計算の概要と展開
第1章 直接原価計算とは何か
第2章 固定費管理と直接原価計算
第3章 直接原価計算の変容
第Ⅱ部 直接原価計算の泰斗たち
第4章 先駆者Harrisの貢献
第5章 Marpleによる啓蒙
第6章 Wright による実践的普及
第7章 Horngrenによる理論的探究
第Ⅲ部 わが国における直接原価計算の展開 
第8章 わが国における直接原価計算の受容と展開
第9章 わが国における外部報告論争
第10章 直接原価計算と原価計算基準

著者紹介

高橋 賢(たかはし まさる)
[プロフィール]
横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授 博士(商学,一橋大学)
1968年生まれ(長崎県諫早市出身)。1991年一橋大学商学部卒業、1996年一橋大学大学院商学研究科博士後期課程単位修得退学。同年千葉大学法経学部講師、1998年同助教授、2000年横浜国立大学経営学部助教授、2004年ポワチエ大学外国人招聘助教授、2011年横浜国立大学大学院国際社会科学研究科教授を経て2013年より現職。現在、日本原価計算研究学会理事を務める。2005年日本簿記学会学会賞受賞(泉宏之氏,原俊雄氏と共同受賞)。会計検査院特別研究官(2013-2015年)を歴任。

[主な著作]
『直接原価計算論発達史―米国における史的展開と現代的意義』中央経済社,2008年
『テキスト原価会計』中央経済社、第1版:2009年、第2版:2015年
『管理会計の再構築―本質的機能とメゾ管理会計への展開』中央経済社、2019年
『管理会計の変革』共編著、中央経済社,2013年
『地域再生のための経営と会計―産業クラスターの可能性』共編著、中央経済社、2014年
『テキスト会計学講義』共編著、中央経済社、第1版:2018年、第2版 他多数

担当編集者コメント
直接原価計算はどのように生成・発展を遂げたか?

〇本書の概要
第Ⅰ部は,経営管理ツールとしての直接原価計算の概要を述べています。経営管理ツールとしての直接原価計算の特性,直接原価計算における利益計算の原理,固定費の管理における直接原価計算の機能,そして環境変化に対して直接原価計算がどのように変容していくのか・どのように展開していくのか,について考察しています。
第Ⅱ部は,直接原価計算の生成と普及に貢献した泰斗たちについて述べています。Harris,Marple,Wright,Horngrenがどのような視点・立場から直接原価計算を捉えその生成と発展にどのように貢献していったのかをみることで,通史とは別の視点で直接原価計算の生成発展過程を多角的に明らかにしています。
第Ⅲ部は,わが国における直接原価計算の展開について述べています。これまで直接原価計算に関わるわが国の動向をまとめて論じたものは案外なく,ここではその発展の姿,とりわけわが国固有の展開を描き出しています。

『直接原価計算発達史』刊行から16年、2冊目の直接原価計算に関する研究書です。

『直接原価計算論発達史』が縦糸をつむぐ考察としたら、本書は横糸をつむぐ考察で、これにより直接原価計算の本質をより明確に示すことをねらいとしています。

見どころは、個人的には第Ⅱ部と第Ⅲ部ですね。
第Ⅱ部は、人に焦点をあてた研究。
近時、こうした研究は膨大な時間がかかることもあり、とても少なく貴重だと思います。
第Ⅲ部は、日本の議論を整理。
先生もおっしゃっていますが、日本の議論を整理したものはないとのことですので、この点も貴重な研究成果だと思います。

研究者はもちろんですが、原価計算に関心のある実務家の方々にも有益な内容です。
ぜひぜひご覧・ご活用ください!