現代中国会計―歴史・制度・教育・管理からの究明

水野 一郎 編著

定価(紙 版):6,380円(税込)

発行日:2024/01/31
A5判 / 308頁
ISBN:978-4-502-48561-9

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本の紹介
本書は、現代中国の会計を歴史的、理論的、制度的に考察し、会計教育や管理会計、内部統制、統合報告、CSRの開示など多面的に捉え、実態と特徴を総合的に解明。

目次

第Ⅰ部 現代中国会計の歴史的発展
第1章 中国企業会計の歴史と沿革
第2章 西洋複式簿記―近代中国への伝播
第3章 台湾会計制度の歴史と発展
第4章 中国会計と比較制度分析
第Ⅱ部 現代中国の会計制度と会計教育
第5章 中国会計の概念フレームワーク―「企業会計準則(基本準則)」をめぐって
第6章 中国の会計制度改革―『小企業会計準則』についての考察
第7章 中国会計とIFRSの関係―和して同ぜず
第8章 中国における内部統制システムの整備状況と課題
第9章 中国企業の統合報告書開示の現状と可能性
第10章 中国中央企業におけるCSR情報開示の変遷
第11章 中国における会計教育の歴史と現状
第12章 中国における会計能力検定制度および研究者育成
第Ⅲ部 現代中国の管理会計理論と実践
第13章 中国企業における「西洋的」管理会計の導入および利用
第14章 中国企業における日本的管理会計手法の導入と展開
第15章 中国企業の管理システムにみられる市場競争メカニズムの浸透
第16章 中国における環境管理会計研究の回顧と展望
第17章 中国の原価計算の現状と展望
第18章 中国内陸部における日系小売企業の事例研究―中堅スーパー平和堂の中国進出と現状を中心に

著者紹介

水野 一郎(みずの いちろう)
[プロフィール]
大阪市立大学卒業後、関西大学大学院、大阪市立大学大学院、鹿児島大学助教授、佐賀大学教授を経て、1998年4月より関西大学商学部教授。
中国社会科学院、オークランド大学客員研究員、湖南大学および合肥工業大学客座教授、関西大学経済・政治研究所所長、大学入試センター試験委員、公認会計士試験委員、日本管理会計学会会長、日本原価計算研究学会理事、日本社会関連会計学会理事、日本財務管理学会理事、日本生産性本部フェロー、鹿児島市水道事業経営審議会委員、佐賀県企業メセナ協議会顧問、佐賀県固定資産評価審議会会長、兵庫県加西市公共料金問題審議会会長などを歴任。
現在、日本会計研究学会理事・学会賞審査委員、国際公会計学会副会長、人を大切にする経営学会常任理事、中小企業会計学会理事、日本財務管理学会監事、学校法人浪商学園(大阪体育大学)監事、大阪府分野調整事業協議会委員、大阪府標準営業約款登録審査委員会会長、大阪府公衆浴場入浴料金審議会会長など。

[主な著作]
単著
『現代企業の管理会計―付加価値管理会計序説』白桃書房、1990年
編著
『持株会社と企業集団会計』(共編)同文舘出版、2002年
『アカウンティング』(共編)同文舘出版、3訂版:2007年、4訂版:2011年、5訂版:2015年、第6版:2019年
『上海経済圏と日本企業―その動向と展望』関西大学出版部、2009年
『中国経済・企業の多元的展開と交流』(共編)関西大学出版部、2011年
『中小企業管理会計の理論と実践』中央経済社、2018年
共訳書
『企業の社会報告―会計とアカウンタビリティ』白桃書房、1992年
『会計とアカウンタビリティ―企業社会環境報告の変化と挑戦』白桃書房、2003年
その他
管理会計、付加価値会計、中国会計に関する論文多数

担当編集者コメント
現代中国会計は以下の背景により大きく改革が進んでいます。
① 中国が会計制度の国際化の影響を受けて、財務会計、管理会計、監査、内部統制、会計教育など国際的な会計慣行や会計研究の成果を取り入れてきたこと。
② GDP世界第2位の経済大国となり、国際会計における中国会計の存在はきわめて大きなものになってきたこと。
③ 欧米や日本で多数の中国の留学生が会計学を学習・研究し、帰国後は研究者、実務家として中国国内において重要な影響を与えていること。

本書は、中国会計を熟知している研究者18名により、現代中国の会計を歴史的、理論的、制度的に考察しています。さらに会計教育や管理会計、内部統制、統合報告、CSRの開示など多面的に捉え、現代中国会計の実態と特徴を総合的に明らかにしています。

中国の会計の「今」を歴史的背景等も踏まえ考察された本書は、中国会計を研究される研究者・大学院生の方のみならず、実務にも活きる内容も多く含まれています。
ぜひご活用ください!

*本書は、研究書であると同時に、編著者である水野一郎先生の古稀および関西大学退職記念の著書でもあります。