日本の会計基準/Ⅲ 変容の時代

大日方 隆

定価(紙 版):7,700円(税込)

発行日:2023/03/07
A5判 / 464頁
ISBN:978-4-502-43931-5

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本の紹介
日本の会計基準の国際会計へのコンバージェンスを主な対象とし、政治経済の要因による基準の経路依存性を分析、企業会計の基礎概念や原理に対する個別基準の整合性を検討。

目次

Ⅲ 変容の時代

11 EUによる同等性評価
 1  この章の目的
 2  新体制の始まり
 3  企業会計審議会での議論
 4  同等性評価(補完措置項目)の再検討
 5  ASBJの独立性への脅威
 6  アメリカの動向
 7  日米の相違

12 会計基準の経路依存性
 1  この章の目的
 2  後入先出法
 3  研究開発費
 4  ソフトウェアの会計処理
 5  退職給付会計
 6  ストック・オプション
 7  資産除去債務

13 IFRSの任意適用とコンバージェンス
 1  この章の目的
 2  企業会計審議会での審議
 3  自由民主党の成長戦略 ―任意適用企業数の積み上げ
 4  相互承認戦略の破綻
 5  コンバージェンスにたいする認識
 6  新しい規制の枠組み
 7  IFRS導入の理屈
 8  アメリカ追随主義からの転換

14 崩れゆく理論的基盤
 1  この章の目的
 2  工事進行基準
 3  正規の減価償却
 4  有価証券の保有目的の変更と段階取得
 5  全部連結 ―親会社説の再検討
 6  全部のれん説と連結原則
 7  差額のれん説
 8  企業結合における投資と増資の会計処理
 9  連結当期純利益の定義の変更
 10 不動産の保有目的の変更
 11 賃貸用物件の資産除去債務
 12 会計基準を規定する会計基準
 13 減価償却と税法基準
 14 整合性分析

15 日本らしさの探究
 1  この章の目的
 2  仕入割引と売上割引
 3  後入先出法の廃止
 4  為替予約(直先差額)の会計処理
 5  引当金各論
 6  日本の引当金
 7  当期純利益と包括利益
 8  収益認識
 9  実現主義の再検討 ―実現概念の 2 階理論

終 章
 1  会計規制と会計基準の変容
 2  歴史の転換点
 3  反実仮想の拡張
 4  変革を拒んだ要因
 5  問題の根源
 6  日本の針路
 7  おわりに

著者紹介

大日方 隆(おびなた たかし)
[プロフィール]
1960年生まれ
東京大学大学院経済学研究科第2種博士課程修了 
東京大学大学院経済学研究科教授 博士(経済学)

[主な著作]
『企業会計の資本と利益』(森山書店,1994年)
『会計基準の基礎概念』(共著,中央経済社,2002年)
『詳解「討議資料・財務会計の概念フレームワーク」』(共著,中央経済社,初版2005年,第2版2007年)
『アドバンスト財務会計』(中央経済社,2007年)
『企業価値評価の実証分析』(共著,中央経済社,2010年)
『体系現代会計学第1巻 企業会計の基礎概念』(共著,中央経済社,2011年)
『金融危機と会計規制』(共著,中央経済社,2012年)
『会計基準研究の原点』(編著,中央経済社,2012年)等