サステナブル経営を実現する金融機関の管理会計―いま経営に必要な叡智とは

秋山 盛

定価(紙 版):5,720円(税込)

発行日:2022/03/24
A5判 / 340頁
ISBN:978-4-502-42371-0

送料について
本の紹介
金融機関に求められるサステナブル経営の実現のため管理会計はどのような役割を果たすか。戦略マネジメント・システムを活用した抜本的改革のためのフレームワークを提示。

目次

序 章 金融機関に求められるサステナブル経営とは何か?―本書の目的と構成―

第1部 金融機関における管理会計の研究動向
第1章 金融機関における管理会計研究の変遷
第2章 金融機関における管理会計をめぐる問題点

第2部 サステナブル経営に向けた金融機関の戦略マネジメント・システム
第3章 BSCによる戦略の浸透と徹底
第4章 統合報告書にみるサステナブル経営に向けた組織内効果

第3部 個別課題解決のための金融機関管理会計の視点
第5章 業務集約化をめぐる議論と考察
第6章 アンバンドリングをめぐる議論
第7章 全体最適を図る業務効率化
第8章 有人店舗の存在意義
第9章 地銀の店舗戦略で考えるサービス・リエンジニアリング(SRE)

終 章 金融機関のサステナブル経営を実現するには
補 章 金融機関の統合報告書でのテキストマイニング分析

著者紹介

秋山 盛(あきやま みつる)
[プロフィール]
早稲田大学商学学術院産業経営研究所招聘研究員 博士(商学)早稲田大学
[職歴等]日本長期信用銀行(現 新生銀行),農林中央金庫,オリックス,外資系投資銀行,メガバンクなどで金融業務を経験。また,複数の大学にて兼任講師を務める。
[学 歴]慶應義塾大学経済学部経済学科卒業,早稲田大学大学院商学研究科専門職学位課程修了,早稲田大学大学院商学研究科博士後期課程修了。

[主な著作]
「銀行内業務の集約・共通化による原価改善:原価企画的アプローチを視野においた考察」『原価計算研究』第43巻第1号,2019年.
「わが国の金融機関におけるスループット会計の適用:金融オペレーションに着目した考察」『メルコ管理会計研究』第12号-Ⅰ,2020年.
“A Study on Using Integrated Reports at Mega Banks: Characteristics as Information Sharing Support Tools Within the Organization,” Journal of Japanese Management, Vol. 4, No. 2, 2020. 他多数。

担当編集者コメント
いま金融機関に求められるサステナブル経営とは?
そして管理会計はその実現にどう寄与するのか?

金融機関のサステナブル経営に必要なものとして本書が示す体系は,BSCを基軸とする戦略マネジメント・システムを活用するフレームワークとしています。
まず,持続可能性につき非常に多くのステークホルダーから支持を得られた指標としてのSDGsとできるだけ多く関連を持ち,これまでの戦略を抜本的に見直し,生産性向上により利益を確保することに主眼を置いた,ローコストオペレーションをテーマとして掲げる戦略を策定します。そしてBSC・戦略マップあるいは統合報告書といった戦略マネジメント・システムのフレームワークを活用し,日常的な業務プロセスや対顧活動にまで同フレームワークに組み込むことで,当該戦略を組織内に浸透させ,組織構成員に落し込んでいきます。同フレームワークではPDCAサイクルを回し,経営管理者が適宜モニタリングをしていくことで効果を発揮するようになります。
これにより,戦略を金融機関の個別業務プロセスにまで落し込み,個別課題を管理会計の視点を用いて解決し,抜本的な改革を実施していきます。これらがまさに本書で探究する,管理会計の叡智の結集ともいうべきものの存在なのです。

金融機関役職員の方々、会計研究者に多くの示唆を与える内容です。