会計のイメージを変える―経験学習による会計教育の挑戦
- 本の紹介
- 現代のニーズにあったスキル・能力を養成するために、経験学習という新タイプの教授法を採用して会計を教える場合、会計へのイメージや学習効果にどう影響を及ぼすかを解明。
目次
序 章 研究目的
1 本書の研究目的
2 リサーチ・ギャップ
3 本書の構成
第1章 問題の背景
1 背景
2 今日的課題
3 エンプロイアビリティ・スキルと3つの教育理論
4 経験学習と構成主義
5 会計分野における経験学習
6 経験学習とアクティブ・ラーニング
7 経験学習としてのゲーム学習と状況的学習
8 日本の会計教育研究の課題と経験学習
第2章 先行研究の整理
1 印象とステレオタイプを変える教授法
2 効果的な教授法が具備する属性と学習成果
3 学習意欲を高める教授法
4 学習アプローチを変える教授法
第3章 経験学習としてのレゴ®会計ゲームを活用した学習アプローチの改善
1 本章の研究目的と研究課題
2 レゴ®会計ゲームを活用した経験学習の概要
3 理論フレームワークと仮説の設定
4 リサーチ・デザイン
5 分析結果
6 結果の解釈と議論
7 小括
第4章 学習成果から測定する教授法の有効性
1 本章の研究目的と研究課題
2 リサーチ・デザイン
3 分析結果と解釈
4 小括
第5章 経験学習による学習意欲向上とキャリア選択・科目専攻の決定―会計アクティブ・ラーニング・セミナーを活用したケース
1 本章の研究目的と研究課題
2 会計アクティブ・ラーニング・セミナー(ALセミナー)
3 リサーチ・デザイン
4 分析結果と解釈
5 研究結果の解釈
6 小活
第6章 有効な教授法の属性とは? 経験学習としてのゲーム学習の効果―マネジメント・ゲームTM(MG)のケース・スタディ
1 本章の研究目的
2 MGとゲーム・クラブ
3 理論的枠組みと研究課題
4 リサーチ・デザイン
5 分析結果
6 分析結果の解釈
7 小括
第7章 新たな会計教育方法の構築を目指して
1 研究課題に対する本書の発見
2 会計教育に対する提言
3 展望と限界
<コラム>
1 職業会計士のための国際教育基準の沿革
2 会計体操の教育効果に関する研究
3 レゴ®会計ゲームの教室実践例
4 オンライン環境を活用したレゴ®会計ゲーム
5 模擬店経営によるビジネス擬似体験フィールド・トリップ
- 担当編集者コメント
- 現代社会のニーズに合致したスキル・能力を養成するための最適な会計教育とは何か?
今後数年間の近い未来に、最新の人工知能(Artificial Intelligence: AI)やロボット工学、オートメーション化などにより会計に関わる仕事のあり方が、これまでとは劇的に変わるといわれています。これに対応していくためには、ビジネス環境の深い理解を要する意思決定、人間の判断に関わるスキル、高度で複雑なルールの知識を理解しそれを実務に適用するスキル、全体像を的確に分析・把握し、解釈を加えた上で他人にわかりやすく伝達する能力、などを身につける必要があるでしょう。
本書は、これらのスキル・能力を身につけるため、会計学を学ぶ者に対して、経験学習という新しいタイプの教授法を採用して会計学を教える場合、会計学に対するイメージや学習効果にどのような影響を及ぼすかを調査・解明しています。
「会計嫌い」が増えているといわれる昨今、会計の教育に携わるすべての方に有益な示唆を与える研究書です。