たかが会計―資本コスト、コーポレートガバナンスの新常識

福井 義高
定価:2,530円(税込)

発行日:2021/06/03
四六判 / 208頁
ISBN:978-4-502-38581-0

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本の紹介
利益最大化企業は必ず倒産する―資本コストやコーポレートガバナンスについて日本人が知らない世界標準の理論・研究成果を解説し、「たかが会計」の重要性を明らかにする!

目次



たかが会計 
資本コスト、コーポレートガバナンスの新常識

目次

まえがき
第1部 利益が資本を決める
第1章 経済学の背後に会計あり
 経済学の権威に騙されないために
 ヒックスの経済学的利益概念という神話

第2章 フローがストックを決める
 アダム・スミスの寄り道
 純資産≠株主資本という王道
 利益が減って資産価値が上がるパラドックス

第2部 それでも資本コストは動いている
第3章 変動する資本コストという事実
 会計研究とノーベル賞
 受賞者の顔触れは大人の事情?
 理論的説明を待つ事実の存在
 今後の会計実務・研究の出発点

第4章 変動する資本コストと利益流列の重要性
 変動する資本コストの決定的重要性
 国際会計基準に変化の兆し
 変動する資本コストと会計基準
 変動する資本コストと会計実証研究

第5章 無益で不確かな割引現在価値情報
 財務報告の目的からの逸脱
 割り引くことは企業経営者の仕事?
 無益で不確かなストック時価情報
 変化するのはキャッシュフローではなく資本コスト
 信じるものは救われる?

第3部  「企業の資本コスト」を用いた投資判断は
     危険がいっぱい

第6章 報われないリスク
 資本コストとリスク
 除去できるリスク
 分散投資前提の資本コスト

第7章 企業の資本コストというまぼろし
 1+1=2
 個人では分散できないリスク
 借方で決まる企業の資本コスト

第8章 地獄への道はハイリターン投資で敷き詰められている
 全員を平均以上にはできない
 本当は怖い期待値最大化
 株主資本のコストは高い?
 金融危機の教訓

第9章 それでも(自称)プロにおカネを託しますか?
 素人以下の(自称)プロたち
 「アクティブ<インデックス」定理
 EMHより確かなCMH

第4部  コーポレートガバナンス改革の不都合な真実
第10章 求む社外取締役、ただし聖人限定
 管理会計研究も科学化
 エージェンシー理論とコーポレートガバナンス
 涅槃のセカンド・ベスト=浮世のファースト・ベスト
 エージェンシー理論の意外な結論
 モラルハザードは倫理の欠如?
 浮世で涅槃のファースト・ベストを目指す?

第11章 水素水とコーポレートガバナンス改革
 水素水がただの水で何が悪い
 帰ってきた行政指導
 企業価値を向上させない独立取締役
 無責任で付加価値マイナスの機関投資家
 個人株主育成論のまやかし
 ストックオプションは外れなしの宝くじ
 コーポレートガバナンス「改革」に水素水なみの懐疑を

第12章 起業家精神に不可欠な無知
 驚きのない、聖人の世界が理想?
 意図しない結果の学としての経済学
 悪い動機より無知の重要性

第5部 利益最大化企業は必ず倒産する
第13章 根源的無知のもとでの仮説検定
 市場における仮説の検証と起業家精神
 発見の手続としての市場競争
 利に敏いことは成功の秘訣にあらず

第14章 たかが会計、されど会計
 慣れはおそろしい
 会計はつまらない
 死に至る病:ソフトな予算制約
 自然ではない市場での自然淘汰
 自然と化した人為

第15章 大事なのは最大化それとも予算制約?
 コミットメントなき経済理論
 コミットメントはなぜ可能か
 予算制約下の知性ゼロ≒100%合理的
 主役は最適化ではなく予算制約

第16章 利益最大化と共に去りぬ
 ボーナスはインセンティブにあらず
 インセンティブはボーナス
 利益を最大化するかのように
 利益最大化は淘汰への道

第6部 唯一解強制がもたらす想定外の害悪
第17章 複雑さをありのままに
 デフォルトという権力
 動機不純論の不毛
 「衣の下から鎧」の改革論と規制しないという選択

第18章 会計は自由だ!
 社外取締役は倒産請負人
 求められる無知の自覚
 事実と予測の分離
 会計は自由だ!
注・参考文献



著者プロフィール
〔著者略歴〕
福井 義高(ふくい よしたか)
【経歴】
1962年 京都府生まれ
1985年 東京大学法学部卒業
1998年 カーネギーメロン大学大学院博士課程修了(Ph.D.)
日本国有鉄道、東日本旅客鉄道株式会社、東北大学大学院経済学研究科を経て、現在、青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授、CFA専門は会計情報・制度の経済分析
著書に『会計測定の再評価』、『鉄道は生き残れるか』(以上、中央経済社)、『日本人が知らない最先端の「世界史」』、『同2』(以上、祥伝社)など


著者紹介

福井 義高(ふくい よしたか)

担当編集者コメント
⦿本書の構成
第1部 利益が資本を決める
 第1章 経済学の背後に会計あり
 第2章 フローがストックを決める

第2部 それでも資本コストは動いている
 第3章 変動する資本コストという事実
 第4章 変動する資本コストと利益流列の重要性
 第5章 無益で不確かな割引現在価値情報

第3部 「企業の資本コスト」を用いた投資判断は危険がいっぱい
 第6章 報われないリスク
 第7章 企業の資本コストというまぼろし
 第8章 地獄への道はハイリターン投資で敷き詰められている
 第9章 それでも(自称)プロにおカネを託しますか?

第4部 コーポレートガバナンス改革の不都合な真実
 第10章 求む社外取締役、ただし聖人限定
 第11章 水素水とコーポレートガバナンス改革
 第12章 起業家精神に不可欠な無知

第5部 利益最大化企業は必ず倒産する
 第13章 根源的無知のもとでの仮説検定
 第14章 たかが会計、されど会計
 第15章 大事なのは最大化それとも予算制約?
 第16章 利益最大化と共に去りぬ

第6部 唯一解強制がもたらす想定外の害悪
 第17章 複雑さをありのままに
 第18章 会計は自由だ!
著者から
本書の特徴―まえがきより

「資本コストとコーポレートガバナンスという実務と研究両方の世界で注目されているテーマを通じて、「たかが会計」の重要性を明らかにする。それが本書のねらいである。内容は実務的というより理論的ではあるけれど、テーマに興味をお持ちの方であれば、楽しく読んでいただけるよう書いたつもりである。小難しい数学などは一切使っていないし、会計の専門知識も不要である。あくまで理詰め(?)で取り組んだ結果、世間の常識からかけ離れた結論となっている部分も多々ある。そういう考え方もあるのかと、実務や研究のヒントにしていただけたら、それこそ学者冥利に尽きる。」