損益の区分シフト―経常利益の調整実態と株価への影響

木村 晃久

定価(紙 版):4,620円(税込)

発行日:2019/03/15
A5判 / 272頁
ISBN:978-4-502-29441-9

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本の紹介
経営者は「損益の区分シフト」による利益マネジメントを行っているのか、またそれにより投資家は誤導されるのか。日本固有の区分損益計算書をもとにした実証研究により解明。

著者紹介

木村 晃久(きむら あきひさ)

担当編集者コメント
本書の目的は、日本の区分式損益計算書を対象として、経常利益をターゲットとした損益の区分シフトが経営者によっておこなわれているか否か(損益の区分シフトの実態)、また、それがおこなわれている場合、それによって投資家が誤導されてしてしまうことがあるか否か(損益の区分シフトにたいする投資家の評価)について、実証的な検証をつうじてあきらかにすることです。
現在IASBの基本財務諸表プロジェクトで一時的な性格をもつ損益項目の識別指針を提供するか否かについて議論されています。本書における、制度上開示を要求されている利益をターゲットとした損益の区分シフトにかんする研究は、研究成果の蓄積が進んでおらず、損益計算書において一時的な損益を区分表示すべきか否かという開示制度上の問題にたいして判断材料を提供する、という意味で大きな意義があるといえます。

<目次>
序 章 本書の目的と構成
第1部 損益の区分シフトの実態
第1章 同一時点の損益の区分シフトにかんする実態分析 ―区分選択項目に着目して―
第2章 会計期間をまたぐ損益の区分シフトにかんする実態分析 ―特別損失の頻度と規模に着目して―
第2部 損益の区分シフトにたいする投資家の評価
第3章 同一時点の損益の区分シフトにたいする投資家の評価 ―区分選択項目に着目して―
第4章 継続的な損益の区分シフトにたいする投資家の評価 ―特別損失の継続的な認識に着目して―
第5章 異時点間の損益の区分シフトにたいする投資家の評価 ―大規模な特別損失に着目して―
第3部 損益の区分シフト ―固定資産の費用配分に着目して―
第6章 損益の区分シフトにかんする実態分析 ―固定資産の費用配分に着目して―
第7章 同一時点の損益の区分シフトにたいする投資家の評価 ―固定資産処分損益の区分変更に着目して―
第8章 継続的な損益の区分シフトにたいする投資家の評価 ―固定資産の償却不足に着目して―
第9章 異時点間の損益の区分シフトにたいする投資家の評価 ―大規模な減損損失に着目して―
終 章 総括と展望

本書は、2019年日本会計研究学会の太田黒澤賞を受賞しました。

是非ご覧ください!