非正社員改革―同一労働同一賃金によって格差はなくならない

大内 伸哉
定価:2,750円(税込)

発行日:2019/03/14
四六判 / 268頁
ISBN:978-4-502-29241-5

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本の紹介
正社員と非正(非正規)社員の格差が社会問題化するなか打ち出された同一労働同一賃金の原則は、何が問題か。非正社員をめぐる紆余曲折を正しく理解し、格差対策を考える。

目次



非正社員改革
―同一労働同一賃金によって格差はなくならない
目次

第1編 日本型雇用システムと非正社員
第1章 非正社員とは何か?
1 なぜ法律には,非正社員の定義がないのか?
   非正社員のイメージ   
   法律上は格差なし・・・他 
2 日本型雇用システムとは何か?
   労使自治の産物としての正社員 
   日本型雇用システムと正社員 ・・・他
3 小  括

第2章 非正社員の実相
1 非正社員はどの程度いるのか?
   「就業形態の多様化に関する総合実態調査」(厚生労働省) 
   「労働力調査」(総務省) 
2 非正社員はなぜ増えているのか?
   増加傾向にある非正社員 ・・・他
3 企業はなぜ非正社員を活用するのか?
   企業の非正社員活用理由 
   就業形態別でみた企業の非正社員活用理由 ・・・他
4 労働者はなぜ非正社員として働くのか?
   労働者の非正社員選択理由 
   今後の就業に対する希望 ・・・他
5 非自発型非正社員の不満
   非正社員の賃金の低さ   
   非正社員の雇用の不安定性 ・・・他
6 日本型雇用システムのもたらす格差
   実質的な選択肢   
   難しい再チャレンジ ・・・他
7 小  括 54

第2編 非正社員をめぐる立法の変遷
第3章 私的自治尊重の時代

1 私的自治とは何か?
   私的自治が育てた日本型雇用システム 
   私的自治の原則 ・・・他
2 私的自治を制限する立法
   労基法による介入と契約自由 
   差別禁止規定による介入 
3 司法の動向
   法の欠缺を補充する判例 
   雇止め制限法理 ・・・他
4 学説の動向
   対立する学説  
   私的自治を重視する見解 ・・・他
5 小  括

第4章 消極的介入の時代
1 格差の社会問題化
   雇用ポートフォリオ   
   「構造改革」政策 ・・・他
2 2007年のパート労働法改正
   パート労働法の改正  
   公正な待遇の確保 ・・・他
3 変化のきざし
   ネガティブ・チェックリスト問題   
   偽装請負問題 ・・・他
4 小  括
 
第5章 積極的介入の時代
1 労働者派遣法の2012年改正
   労働者派遣の規制強化 ・・・他
2 労契法の2012年改正
   民法および労基法による有期労働契約の規制 
   労契法による規制 ・・・他
3 2018年の法改正
   パート・有期労働法の制定  
   パート・有期労働法8条 ・・・他
4 否定された私的自治
   採用の自由の否定 
   契約自由の否定をともなう「社会改革」 ・・・他
5 小  括

第3編 非正社員を理論的・政策的に考える
第6章 採用の自由はどこまで制約してよいのか?

1 日本法の下での採用の自由
   日本型雇用システムに不可欠な採用の自由 
   採用の自由の制約の2段階構造 ・・・他
2 EUではどうか?
   比較法といえば欧州   
   フランス法 ・・・他
3 比較法的考察
   解雇規制と入口規制との関係 15  
   欧州と似て非なる「濫用」規制 ・・・他
4 政策的妥当性
   法による強制の限界   
   企業の回避行動の危険性 ・・・他
5 小  括

第7章 法は契約内容にどこまで介入してよいのか?
1 労働条件格差と契約自由
   契約自由の原則と例外   
   均等待遇と均衡待遇 ・・・他
2 労契法20条の効力論
   均衡待遇規定としての労契法20条 
   行為規範としての労契法20条 ・・・他
3 同一労働同一賃金とは何だったのか?
   同一労働同一賃金の起源 
   普遍的な同一価値労働同一賃金論? ・・・他
4 小  括
   
第4編 真の格差問題とは
第8章 消える非正社員

1 格差問題の本質
   従属労働論の限界  
   潜在能力に働きかける政策 ・・・他
2 超高齢社会の到来
   高年齢者増加のインパクト   
   能力主義への転換 
3 第4次産業革命の到来
   変わる産業構造と就業構造  
   人間と企業の分業体制の変化   
4 真の格差是正策は何か?
   いつの時代にもある格差問題   
   真に必要な職業教育とは何か? 
5 小  括

終章 ポスト日本型雇用システム時代の格差
エピローグ 



著者プロフィール
大内伸哉(おおうち しんや)
1963年生まれ
1995年 東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了
現 在 神戸大学大学院法学研究科 教授
<主な著書>
『人事と法の対話―新たな融合を目指して―』(共著:2013年,有斐閣)
『解雇改革―日本型雇用の未来を考える―』(2013年,中央経済社)
『君の働き方に未来はあるか?―労働法の限界と,これからの雇用社会』(2014年,光文社)
『法と経済で読みとく雇用の世界―これからの雇用政策を考える―(新版)』(共著:2014年,有斐閣)
『雇用改革の真実』(2014年,日本経済新聞出版社)
『労働時間制度改革―ホワイトカラー・エグゼンプションはなぜ必要か』
(2015年,中央経済社)
『雇用社会の25の疑問―労働法再入門―(第3版)』
(2017年,弘文堂
『AI時代の働き方と法―2035年の労働法を考える』(2017年,弘文堂)
『会社員が消える―働き方の未来図』(2019年,文藝春秋)



著者紹介

大内 伸哉(おおうち しんや)