資本制度の会計問題―商法・会社法に関連して

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酒井 治郎

定価(紙 版):4,180円(税込)

発行日:2006/10/20
A5判 / 264頁
ISBN:978-4-502-26600-3

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本の紹介
大正期と戦後の創業者利得論争から自己株式の取得・保有を緩和した近年の商法改正、さらに会社法の資本制度まで、多数の文献研究により資本制度の変遷と会計問題について論究。

目次


資本制度の会計問題
―商法・会社法に関連して
目次

 序 章 研究課題と本書の概要

第?部 株式プレミアムと資本準備金制度の研究
 第1章 大正期の株式プレミアム=「利益説」の検討
       ―プレミアムに対する課税問題に関連して
  ? プレミアム=「利益説」とその課税に関する難点

  ? 株式プレミアムの生じる三つのケ−スの検討
     ─主として東五郎氏の見解を中心として
   1.(公示)積立金の存在する設例について
   2.秘密積立金を有する場合の設例について
   3.特殊の利益金を予想し得る場合の設例について

  ? 中村継男氏の株式プレミアム=「利益説」
   1.中村氏の株式会社観と株式プレミアム=利益説の内容
   2.中村氏の見解をめぐる考察

  ? 東・中村両氏の見解にみられる肯定的側面

 第2章 大正期の株式プレミアム=「非利益説」の検討
       ―下野直太郎・上田貞次郎両教授の見解を中心に
  ? 株式プレミアムに関する会計学上の性格と課税をめぐる問題

  ? 株式プレミアム=「預かり金(旧株主の利益)説」
      ─下野直太郎教授の見解
   1.「純資産>資本金」の状態にある企業の増資による
      株式プレミアム
   2.将来性ある事業で高配当が見込める企業の増資による
      株式プレミアム

  ? 株式プレミアム=「非利益説」
      ─上田貞次郎教授の見解
   1.未公示の評価益が新株発行時に顕現した株式プレミアム
   2.プレミアム課税に関する上田教授の批判

  ? 旧商法上の利益と税法上の課税所得についての相違

 第3章 プレミアム課税論争の検討
        ―昭和初期までの課税肯定論と否定論をめぐって
  ? 問題の所在
     ─法人所得計算規定の解釈

  ? 商法依存のプレミアム課税肯定論
   1.渡辺善蔵氏の肯定論の概要
   2.商法依存の難点
   3.商法依存に対する批判的見解

  ? プレミアム課税否定論
     ─その論拠と難点
   1.烏賀陽然良教授の見解
   2.田尻常雄教授の見解
   3.高瀬荘太郎教授の見解

  ? 当時の商法規定の功罪
     ─第143条と第194条第2項

 第4章 ヒルファディング創業者利得論をめぐって
        ―主として
         『金融資本論』(第2編)第7章「株式会社」の検討
  ? 創業者利得概念と創業者利得の取得をめぐる問題

  ? 創業時の資本調達と創業者利得の取得主体

  ? 利益の内部留保と株式会社観

  ? 増資時における創業者利得の取得者

  ? 創業者利得とキャピタルゲインおよび額面超過金の区別

 第5章 「株式プレミアム論争」に関する批判的見解
        ―寺田稔教授の所説を中心に
  ? 株式プレミアムの性格をめぐる問題と本章の課題

  ? 拠出資本説と創業利得説
     ─両説に対する寺田教授の的確な批判
   1.拠出資本説とその批判
   2.創業利得説とその批判

  ? 寺田教授の見解に関する検討
   1.株式会社の資本と種々な資本概念
   2.利益と区別する意味での「資本」の曖昧性

  ? 株式プレミアム=資本説の否定的側面
     ─資本準備金規定と株式消却特例法の改正にかかわって

 第6章 所要機能資本説の検討
        ―別府正十郎教授の所説をめぐって
  ? 問題の所在
     ─所要機能資本説の意義と限界

  ? 株式プレミアムと創業者利得に関する別府教授の例示

  ? 所要機能資本説に関する諸見解
     ─藤田昌也,生駒道弘両教授の見解を中心に
   1.藤田昌也教授の見解124
   2.生駒道弘教授の見解128

  ? 馬場克三教授の機能資本家規定と株式プレミアム観

  ? まとめにかえて
     ─機能資本家概念と株式プレミアムに関する整理

 第7章 資本会計をめぐる主要問題
        ―2001(平成13)年商法改正に関連して
  ? 問題の所在
     ─会社設立時の株式発行価額規制の廃止と
       法定準備金規制の緩和

  ? 株式会社の資本制度の変遷とその影響
   1.戦前の資本金規定
   2.1950(昭和25)年と1981(昭和56)年の商法改正による
     資本金・法定準備金規定
   3.2001(平成13)年商法改正前における論議の概要

  ? 資本制度に関する2001(平成13)年の商法改正批判
     ─株式発行価額規制の廃止による配当可能限度額の
       不当な増大可能性
   1.株式発行価額規制をめぐって
   2.配当可能限度額の不当な増大可能性

  ? 資本準備金取崩のケ−スについて
     ─欠損填補と資本的損失補填に限定する必要性

 第8章 最低資本金制度の撤廃と払込資本の検討
        ―2005(平成17)年会社法に関連して
  ? 問題の所在
     ─最低資本金制度の意図とその否定

  ? 最低資本金制度の撤廃の功罪
   1.撤廃のメリット
   2.撤廃の影響

  ? 会社法上の資本金・準備金に関する規定
   1.資本金・準備金の組入れ額─会社法第445条
   2.資本金・準備金の増減
   3.純資産の区分に関する会計上との相異

  ? 払込資本と株式発行費用等の問題
   1.株式発行費用等の払込資本からの控除
   2.株式発行費用等の会計処理

  ? 資本準備金に関する解釈の曖昧性

第?部 自己株式会計論の研究
 第9章 自己株式会計論の検討
        ―わが国における自己株式取得の規制緩和に係わって
  ? 問題の所在
     ─従来の規制に対する自己株式の資本減少説

  ? 自己株式の取得と自己株式に関する諸説
   1.アメリカの自己株式会計論概観
   2.わが国における自己株式取引の会計問題

  ? 規制緩和にともなう自己株式取引の会計処理と表示
     ─日本公認会計士協会・会計制度委員会報告書第2号
       を中心に
   1.自己株式取得の例外的許容の緩和
   2.使用人譲渡等のための自己株式
   3.利益消却のための自己株式

  ?.自己株式の会計処理と財務諸表上の表示のあり方について

 第10章 自己株式に関する商法と会計上の問題
         ―併せて2001(平成13)年改正商法の
          配当可能利益概念の検討
  ? 自己株式取得規制の変遷と本章の課題

  ? 自己株式取得の原資
   1.アメリカのNY州会社法とわが国の改正商法
   2.剰余金(準備金)の区別に関する法律上の見解

  ? 自己株式取得の会計処理と保有自己株式の資産性軽視
   1.自己株式取得の会計処理
   2.保有自己株式の資産的側面

  ? 自己株式の処分差益の吟味

  ? まとめにかえて
    ─株式会社の資本制度をめぐって

 第11章 「剰余金」概念と自己株式をめぐる問題
        ―2005(平成17)年の会社法に関連して
  ? 問題の所在
     ─資本(純資産)の部の複雑化による新たな分配規制

  ? 剰余金額と分配可能額の算定方法
   1.剰余金額の算定方法
   2.配当等の制限と分配可能額の算定方法
   3.剰余金分配規制をめぐる諸見解

  ? 自己株式の資産説と資本減少(控除)説の比較検討
   1.自己株式に関する従来の支配的見解と取得規制の変遷
   2.自己株式の処理法としての原価法と資本減少説
   3.自己株式の資産説の内容

  ? まとめにかえて
     ─剰余金概念にみる自己株式の資本減少説の否定

 終 章 商法の資本制度の変遷と株式会社観
  ? 問題の所在
     ─商法の資本・利益概念の変化と会計主体論争

  ? 戦前と戦後(1950年)の資本金規定等の変化
     ─株式プレミアム(額面超過金)の利益から資本へ
   1.戦前の商法(1950年改正前商法)
   2.1950年の商法改正

  ? 1981年と1994年の商法改正
     ─資本金規定の払込価額主義と自己株式取得の規制緩和
   1.1981年の商法改正
   2.1994年の商法改正

  ? 2001年の商法改正と2005年の会社法制定
   1.2001年の商法改正
   2.2005年の会社法

  ? まとめにかえて

 主要参考文献

 索  引
著者プロフィール 酒井治郎(さかい じろう)
1976年4月〜1985年3月 立命館大学経営学部助教授
1985年4月〜2001年3月 立命館大学経営学部教授
1994年10月 博士(経営学・立命館大学)
2001年4月 立命館大学名誉教授
2001年4月〜2002年3月 羽衣学園短期大学教授
2002年4月〜現在 羽衣国際大学産業社会学部教授

[主要著書]
『簿記論の基礎』(共著)税務経理協会,1987年
『現代会計の基礎』(分担執筆)法律文化社,1990年
『会計主体と資本会計──会計学基本問題の研究』中央経済社,1992年
『詳説財務諸表論講義(三訂版)』税務経理協会,1998年
『簿記会計学入門講義』税務経理協会,2001年


























著者紹介

酒井 治郎(さかい じろう)