日本企業のコスト変動分析―コストの下方硬直性と利益への影響

安酸 建二
定価:3,740円(税込)

発行日:2012/10/23
A5判 / 210頁
ISBN:978-4-502-46250-4

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本の紹介
大量の公表財務データを統計的手法を用いて分析して、日本企業のコスト変動と利益への影響を解明し、今後の経営者の意思決定に資する知見を提供する研究書。

目次


日本企業のコスト変動分析
─コストの下方硬直性と利益への影響
目次

序章 本書の目的,特徴,構成
 1 本書の目的
 2 コスト変動をめぐる本書の研究課題とアプローチ
  2.1 コスト変動
  2.2 コストの下方硬直性 ……ほか
 3 本書の構成

第1章 コスト変動に関する既存研究
 1 はじめに
 2 コストの下方硬直性に関する先行研究のレビュー
  2.1 Noreen and Soderstrom( 1997)の研究
  2.2 Anderson et al.( 2003) の研究 ……ほか
 3 コストの下方硬直性に関する2つの説
  3.1 合理的意思決定説
  3.2 コスト調整遅延説
 4 キャパシティー・コストとコストの下方硬直性
  4.1 キャパシティー・コストとコストの下方硬直性
  4.2 Balakrishnan et al.( 2004)の研究 ……ほか
 5 考察と次章に向けての課題

第2章 コスト変動研究をめぐる問題点
 1 はじめに
 2  先行研究の再検討:Anderson and Lanen(2007)による批判
  2.1 (1.1)式におけるβ2<0の解釈
  2.2 コスト変動に見られる多様性 ……ほか
 3 先行研究の問題点とそれに対する本書の立場
  3.1 先行研究の問題点
  3.2 コストの変動を説明する変数としての売上高の変動
   ……ほか

第3章 分析対象となるデータおよび記述統計量
 1 はじめに
 2 分析対象となる財務データの特徴
  2.1 データ収集の初期条件
  2.2 サンプルの選択に関する事前の検討
 3 アーカイバル・データ
  3.1 アーカイバル・データの研究上の利点と問題点
  3.2 公表される財務数値と管理会計の関係に関する本研究の
      立場
 4 記述統計量
  4.1 収集されたサンプルと外れ値の処理
  4.2 サンプルの記述統計量
 5 コスト変動の多様性
  5.1 コスト変動に見られる多様性
  5.2 Anderson et al(. 2003)の(1.1)式の事業年度別の推定結果
 6 コスト変動に見られる多様性と分析へのインプリケーション

第4章 コストの下方硬直性の存在に関する実証的証拠
    ─先行研究の追試─

 1 はじめに
 2 費目別の分析―売上原価と販管費―
 3 分析方法―パネル分析―
  3.1 パネル分析
  3.2 モデル選択
 4 先行研究の追試
  4.1 Anderson et al.( 2003)の基本的な分析モデル(1.1)式の
      推定結果
  4.2 売上高の変化率の大きさに注目したコスト変動の分析
   ……ほか
 5 発見事項の要約

第5章 売上高予測が持つコスト変動への影響力
 1 はじめに
 2 売上高予測とコスト調整行動に関する仮説
  2.1 経営者に対する利益目標の達成圧力
  2.2 売上高予測とコスト変動に関する仮説の設定 ……ほか
 3 分析モデル
  3.1 仮説1を検証するための分析モデル
  3.2 コストの下方硬直性の再検証 ……ほか
 4 経営者による売上高予測およびその記述統計量
  4.1 決算短信で発表される次期の売上高予測
  4.2 業績予測における経営者バイアス ……ほか
 5 分析結果
  5.1 (5.1)式の推定結果
  5.2 売上高予測をコントロールした後のコストの下方硬直性の確認
   ……ほか
 6 分析結果に対する考察
  6.1 (5.1)式の推定を通じた仮説1の検証結果の考察
  6.2 仮説2aおよび仮説2bの検証結果の考察 ……ほか

第6章 コストの下方硬直性に関する合理的意思決定説の検証
 1 はじめに
 2 合理的意思決定説の立場からの仮説設定
  2.1 合理的意思決定説に関する仮説設定:仮説1
  2.2 当期の利益と長期的な利益のトレードオフ
 3 分析モデル
  3.1 仮説1の検証
  3.2 仮説2aおよび仮説2bの検証
 4 サンプルと記述統計量
 5 分析結果
  5.1 (6.1)式の推定結果と仮説1の検証
  5.2 (6.2)式の推定結果と仮説2の検証 ……ほか
 6 分析結果に対する考察
  6.1 (6.1)式の推定結果および仮説1についての考察
  6.2 (6.2)式の推定結果および仮説2aと仮説2bについての考察
   ……ほか
 7 第7章に向けての課題

第7章 コストの下方硬直性がもたらす利益への影響
 1 はじめに
 2 分析モデル
  2.1 分析モデルの仮定
  2.2 分析に必要な変数と分析モデル ……ほか
 3 サンプル
 4 記述統計量
 5 分析結果
  5.1 OLSによる推定
  5.2 売上総利益の変化に関する分析結果 ……ほか
 6 分析結果に対する考察
  6.1 発見事項の要約
  6.2 売上高予測の楽観性
 7 第8章に向けての課題

第8章 楽観的な売上高予測がもたらす利益への影響
 1 はじめに
 2 仮説設定
  2.1 売上高予測,コスト変動,利益に関する仮説設定
 3 分析モデル
  3.1 分析に必要な変数
  3.2 分析モデル
 4 売上高予測の楽観性に関する記述統計
 5 分析結果
  5.1 (8.1)式の推定結果と仮説1の検証
  5.2 コストの下方硬直性の存在と利益への影響の検証 ……ほか
 6 分析結果に対する考察
  6.1 コストの下方硬直性が利益に与える影響
  6.2 売上高予測の楽観性が利益に与える影響 ……ほか

終章 本書が持つ企業経営へのインプリケーション
 1 はじめに
 2 発見事項の要約と研究の限界
  2.1 発見事項の要約
  2.2 本書を通じた研究の限界
 3 本書の分析結果が持つ経営実務へのインプリケーション
 4 コスト変動研究が持つ会計研究への応用可能性

 参考文献

 索 引



著者プロフィール 安酸 建二(やすかた けんじ)
近畿大学経営学部准教授 博士(経営学)
1972年 鳥取県生まれ
1994年3月 神戸大学経営学部卒業
1996年3月 神戸大学大学院経営学研究科博士前期課程 修了
1998年4月 流通科学大学商学部 助手
2000年3月 神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程 修了  博士(経営学)取得
2000年4月 流通科学大学商学部 講師
2005年4月 流通科学大学商学部 助教授
2005年9月 Visiting Scholar at University of Washington(~2006年8月)
2008年4月 近畿大学経営学部 准教授 現在に至る

<主な著書>
『 戦略的プランニング・コントロールの研究』(共著,中央経済社,1999年),
『インサイト管理会計』(共著,中央経済社,2008年),
『インサイト原価計算』(共著,中央経済社,2008年),
『管理会計研究のフロンティア』(共著,中央経済社,2010年),
『これから学ぶ会計学』(共著,中央経済社,2011年)
<主な論文>
「コスト変動を通じて利益変動に影響を与える要因としての売上高予測の重要性に関する実証研究 ─コストの下方硬直性がもたらす利益への影響─」『管理会計学』 第18巻第1号,2010年(日本管理会計学会論文賞受賞),
「経営者業績予想におけるコスト予想に関する実証研究 ─管理会計からのアプローチ─」『会計プログレス』 第13号,2012年(日本会計研究学会学会賞)ほか






















著者紹介

安酸 建二(やすかた けんじ)

担当編集者コメント
本書で著者が重視しているのは、企業経営へのインプリケーションです。
本書で提示されたさまざまな知見は必ず経営実務にも活きるハズ。
研究者のみならず、実務家にもぜひご一読いただきたい研究書です。