経営

ERMは進化する―不確実性への挑戦

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定価:3,080円(税込) 送料について

発行日:2018-12-21
A5判/252頁
ISBN:978-4-502-28931-6

紹介文

サイバーやデジタル化などにより経営環境は激変し、経験したことがないほどの不確実性にさらされている。不確実性にどう向き合うべきかを著者の知見をもとに解説した意欲作。

目次

サイバーやデジタル化などにより経営環境は激変し、
経験したことがないほどの不確実性にさらされている。
不確実性にどう向き合うべきかを著者の知見をもとに解説した意欲作。


「今ERMは大きな壁にぶつかっている。企業を取り巻く環境が激変しているからである。
例えば、科学技術の発展の副産物として生み出されたリスク社会や、
デジタル革命が主導するビジネスチャンスの裏で拡大するサイバー空間上の脅威など、
かつて経験したことのないほど、経営は不確実性にさらされている。
換言すれば、不確実性の急拡大にERMの発展が追いつかない。
かつて、リスクへの挑戦を旗印にして発展してきたERMは、リスクの根源である不確実性によって脅かされている。
このような次世代の課題に対して実効性を発揮すべくERMは進化していかなければならない。」(はじめにより)


●本書の構成●

第1章 ERMの発展と強化の方向性
リスク管理発展の流れ/戦略的意思決定とリスク管理の関係/ERM強化の方向性
第2章 不確実性へのアプローチとリスク化
リスクの変質、不確実性の高まり/不確実性に対するアプローチ/不確実性下の意思決定/不確実性のリスク化の意味
第3章 事例にみる不確実性のインパクト
事例検討に先立つ着眼点/事例検討と教訓(戦略的意思決定と不確実性、システミック・リスクと不確実性、
オペレーショナル・リスクと不確実性、エマージングリスクと不確実性)/不確実性への対処における留意点
第4章 不確実性をマネージするためのERM
不確実性に向き合うための視点/リスクと不確実性の峻別と投資判断基準の設定/バイアス管理の強化/
想定外のマネジメントの強化/不確実性に対する戦略的思考/新技術の応用とERMの進化/ERMの進化への期待

評価

1件の評価があります。

ERMは進化する 中林真理子(明治大学商学部教授)さんのコメント (2019/02/07)
旬刊経理情報2019年2月10日号inほんmation欄より

金融・保険業におけるリスク管理は、十数年前まではリスクを定量化して資本の範囲内にコントロールすることが最大の課題であったが、現在では、あらゆるリスクを対象とした全社的取組みとして戦略的に取り組まれるようになっている。本書ではこのことを、「リスク管理をマネジメントの中核に据えた統合的リスク管理(Enterprise Risk Management)は『リスクへの挑戦』を旗印に発展してきた。」と表現する。そのうえで、「不確実性の急拡大にERMの発展が追い付かず、ERMが大きな壁にぶつかっている」ことへの問題提起をしている。そして、このような次世代の課題に対して実効性を発揮できるERMへと進化させるにはマインドセットを変化させることが重要で、それは、いかに「不確実性に挑戦」できるかにかかっていると強調している。
本書における最重要なキーワードは「不確実性」である。「関連する情報、データ、経験知が十分でないため、リスク構造を十分把握するに至っていない状態」として使用され、「予想と結果の差異」であるリスクとは峻別し、「不確実性を将来の経済価値の状況」として合理的に理解し、経営判断に活用できることを「リスク化」すると定義づけている。
そして、デジタル革命と同時並行で進行するサイバー脅威と気候変動による自然災害リスクを例に、不確実性が高まるほど、過去の環境前提におけるパターンの繰り返しで将来を予測する従来の静態的なERMでは対処できなくなり、これらの前提の変化を積極的に受け入れた動態的なERMを求める変化が始まっていることを指摘する。
本書は、リスク管理の枠組みや技術的な解説書ではない。日常の企業活動のさまざまな局面で直面する不確実性に対し合理的な意思決定や行動をとるためにマインドセットを変え、「新次元のERMを構築し組織に浸透させるチャレンジのための啓蒙書」ともいえるだろう。
本書では1~4章が「起」「承」「転」「結」の4部構成になっている。第1章ではERMの発展の歴史を振り返る。第2章では不確実性とリスクの違いを整理し、不確実性の「リスク化」の意味を検討する。第3章では当時としては不確実性の要素が高く適切な意思決定ができなかったために発生した企業の失敗事例を検討し、適切なアプローチの糸口と対処のための視点を洗い出す。そして第4章で、これまでの整理を踏まえ、「リスクへの挑戦」から「不確実性への挑戦」に転換させるためのマインドセットの変化と、現行のERMに組み込むべきしくみについて検討する。この際、AI等の最新技術をERMのなかで活用することにも触れ、不確実性をマネージするためにわれわれの潜在能力をいかに拡大できるかにまで議論は拡がる。
本書では、リスクと不確実性について詳細な概念整理を行ったうえで、誰もが関心のある事例を用いて、わかりやすく高度な論理展開をしている。これは筆者の損害保険会社でのキャリアや現職でのコンサルとしての経験、さらに研究教育業績がなせる技ともいえるだろう。
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