税法

BEPS対応移転価格文書化ハンドブック

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定価:3,080円(税込) 送料について

発行日:2018-03-29
A5判/220頁
ISBN:978-4-502-24941-9

紹介文

BEPSにより、企業グループの移転価格文書化業務は大きな転機を迎えている。本書では、BEPS初年度として対応すべきポイントや今後の更新におけるポイントについても解説。

評価

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BEPS対応移転価格文書化ハンドブック 川端康之(横浜国立大学大学院教授)さんのコメント (2018/07/20)
本書はBDO税理士法人の田村敏明・移転価格パートナーを中心とする専門家の共著である。いまさらいうまでもないが、移転価格税制は、OECDのBEPS行動計画の結果、BEPS参加国において大きな変貌を遂げつつあり、なかでも注目されるのはいわゆる文書化(documentation)である。
移転価格算定の適正性検証のための資料は、かつては事後的税務調査段階ではじめて、近時は確定申告前の事前確認手続において、納税者と課税庁との間で共有されている。しかし、それは各国の国内法制によって定められた事項についての文書であったので、国際的移転価格事案においては、一国の課税庁が必要とする種類の資料が国際業界自体になかったり、納税者が主張する内容が文書によって支えられていなかったり、移転価格税制の執行にとって大きな足かせとなっていた。国際的移転価格事案は複数国・地域の市場をまたぐ複雑な取引事案なのである。そこでOECDはBEPS行動計画において各国における文書化の水準を統一し、できるだけ高い水準で文書化を共通制度とすることで、移転価格税制の国際的執行における実務的問題を解消しようとしている。
国際的移転価格に神経を遣わなければならない法人企業にとっては、国際標準というべき文書化の基準が示されたため、それをうまく活用すれば、従来のような類似資料の重複作成や国ごとに違う基準へのブレークダウンなどの手間が省けると同時に、各国が共通理解に立った文書化を進めることで企業の移転価格方針を税務上示す資料も共通化され、特定国・地域の基準の理解も深まる。
本書の特徴は、このような複雑な文書化の現状を日本の実務(国税庁移転価格事務運営指針参考事例集等)にも言及しつつ、もっぱら移転価格実務をアドバイスする専門家の視点から、論点ごとに留意すべき点を端的に抽出し、コンパクトな字数でわかりやすく説明している、という点にあろう。特に、BEPS行動計画で採択された国別報告事項(CbCR)、マスター・ファイル/ローカル・ファイル(MF/LF)という新しい文書化構造に着目した論点の説明は、この論点の新しさもあって、わが国ではまだほとんど実務的に整理されておらず、本書の分析は、今後のわが国の企業実務に大きな影響を与えるのではないかと想像される。
しかもその説明内容は、OECD/BEPS行動計画をよく咀嚼しわが国の従来の実務とすり合わせた内容となっており、多くの企業にとって、従来の実務に何を加えどう変更すればCbCR/MF/LF要件を充たす文書化実務が可能であるのか、の道標となろう。
本書は国税庁の公開による「ローカルファイル作成に当たっての例示集」等に対して実務家の観点から改善すべきポイントを提言している点がユニークで、官民を問わずひろく移転価格実務家に愛読されることを願っている。
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