融資判断における銀行取締役の責任

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神吉 正三

定価(紙 版):5,060円(税込)

発行日:2011/04/26
A5判 / 272頁
ISBN:978-4-502-04210-2

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本の紹介
経営の健全性確保、預金者保護の要請から融資決済における銀行取締役の注意義務の特殊性を明らかにする。バブル崩壊後の金融機関再生時に、ずさんな融資判断の責任が問われた多くの訴訟を分析。

目次


融資判断における銀行取締役の責任
目次

第1部 融資業務の執行と銀行取締役の注意義務
 序 章

 第1章 銀行業と株式会社としての銀行の特徴
  第1節 銀行業務の公共性と銀行経営の健全性
  第2節 金融仲介機能
  第3節 預金者の存在
  第4節 銀行の財務構造
  第5節 破綻回避の必要性と公的資金の注入制度
  第6節 銀行の専業義務と取締役の兼職制限
  第7節 株主権の縮減と変容
   1.取締役等の適格性要件
   2.資本準備金および利益準備金の積立ての強化
   3.株主等の帳簿閲覧権の否定
   4.銀行主要株主に係る認可制
   5.銀行主要株主の株主有限責任の否定
  第8節 内閣総理大臣の銀行役員の解任命令権
  第9節 預金者に対する銀行取締役の責任
  第10節 本章のまとめ

 第2章 銀行取締役の注意義務をめぐる議論の現状
  第1節 銀行取締役と善管注意義務
  第2節 融資決裁における銀行取締役の注意義務の特徴
  第3節 判例の検討
   1.融資決裁における銀行取締役の一般的な注意義務
   2.融資決裁における銀行取締役の具体的な注意義務
   3.最高裁判例
   4.本節のまとめ
  第4節 学説の動向
   1.バブル経済崩壊までの状況
   2.バブル経済崩壊後の状況
   3.近年の状況
   4.民法学者の立場

 第3章 銀行取締役の注意義務-その基礎的展開
  第1節 高度注意義務とその内容
   1.銀行取締役の注意義務を高度注意義務であると解釈すること
     の意義
   2.高度注意義務の具体的内容
  第2節 銀行取締役と専門家との類似性
   1.銀行取締役と専門家との対比
   2.銀行取締役の注意義務の特質
  第3節 高度注意義務の効果
  第4節 銀行の融資と一般事業会社が行う融資との対比
   1.判例の検討
   2.一般事業会社が行う融資の特徴
  第5節 銀行取締役の注意義務と経営判断の原則との関係
  第6節 関連する解釈論
   1.銀行取締役が注意義務を負う客体
   2.取締役の法令遵守義務と銀行法との関係
   3.銀行取締役の注意義務は誰との関係において高度になるか
   4.銀行業務の「公共性」と銀行取締役の注意義務との関係
   5.株主権と融資業務との関係
  第7節 予想される反論とそれに対する再反論
  第8節 私見が否定された場合の対応

 第4章 銀行取締役の注意義務-その具体的展開 ⑴
  第1節 銀行の融資に関する審査基準
  第2節 融資の基本原則
   1.融資の基本原則の意義と歴史
   2.一般事業会社が行う融資との対比
   3.安全性の原則の取扱い
   4.融資の基本原則における各原則の調和
   5.融資の基本原則の現代における意義
  第3節 銀行取締役による融資決裁と内部規程との関係
   1.緒言
   2.判例の検討
   3.内部規程の遵守と内部統制システム

 第5章 銀行取締役の注意義務-その具体的展開 ⑵
  第1節 プロジェクト資金の決裁
   1.緒言
   2.具体的な注意義務
  第2節 グループ会社に対する救済支援資金の決裁
   1.緒言
   2.銀行の関連会社規制の概要
   3.判例の検討
   4.具体的な注意義務
  第3節 メインバンク先に対する救済支援資金の決裁
   1.緒言
   2.具体的な注意義務
  第4節 本章のまとめと若干の将来展望

 結 章

第2部 取締役の職務執行と「信頼の原則」
 序 章

 第1章 アメリカ法の検討
  第1節 模範事業会社法
  第2節 「コーポレートガバナンスの原理:分析と勧告」

 第2章 わが国における学説および判例
  第1節 学説
  第2節 判例
   1.業務執行において「信頼の原則」が扱われた判例
   2.監視義務および監督義務の履行において「信頼の原則」が
     扱われた判例

 第3章 わが国における解釈論を展開するための基礎作業
  第1節 稟議制度
  第2節 取締役の経歴と取締役に求められる資質
  第3節 取締役会や代表取締役が決裁権限を行使することの意味
  第4節 決裁権限の行使と取締役の注意義務
   1.取締役が単独で決裁権限を行使する場合
   2.取締役が会議体の構成員として決裁権限を行使する場合

 第4章 わが国における解釈論
  第1節 業務執行における「信頼の原則」
   1.「信頼の原則」のあり方
   2.要件論
   3.第三者に対する信頼
   4.「特段の事情」に関する考察
  第2節 監視義務および監督義務の履行における「信頼の原則」
   1.監視義務を履行する場合
   2.監督義務を履行する場合

 結 章

 索 引



著者プロフィール 神吉 正三(かんき しょうぞう)
略歴
1978年 同志社大学法学部法律学科卒業。
協和銀行(現りそな銀行)入行
1999年 筑波大学大学院博士課程経営・政策科学研究科企業科学専攻修了。 博士(法学)
2001年 あさひ銀行(現りそな銀行)退職。 流通経済大学法学部専任講師
2007年 龍谷大学法学部教授(〜現在に至る)。

主要業績
『金融機関役員の融資決裁責任』(酒井書店,2005年)
「銀行グループの信用リスク管理のあり方」流経法学4 巻1 号(2004年)123頁〜208頁
「 協同組織金融機関における地区の意義」RESEARCH〔労働金庫研究所〕21号(2010年)3頁〜50頁






















著者紹介

神吉 正三(かんき しょうぞう)