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発行日:2018-06-29
A5判/284頁
ISBN:978-4-502-26551-8

紹介文

海外企業とのM&Aや海外子会社をもつ日本企業同士のM&A等、グローバルな買収・売却に際し問題となることの多い事項を50取り上げ解説。主要国独占禁止法・優遇税制一覧付。

評価

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海外企業買収・売却のリスク対応50 高柳 寛樹さんのコメント (2018/11/07)
旬刊経理情報2018年11月10日号「Inほんmation」欄より

国内におけるM&Аも盛んになってきた。上場会社だけでなく中小零細企業や事業継承にまつわるM&Аも増えており「生活に密着」している。私も経営する会社で―とても小さくはあるが―2度ほど経験をした。まさに人の営みである。加えてまわりの起業家たちもIPOだけが出口ではなく、そもそもM&Аを見据えた事業展開を当たり前のように考えたりしている。本書は海外企業のM&Аについての指南書である。クロスボーダーとなると少々「生活感」が薄くなろうと考えるかもしれないが、偶然ではあるが、つい先日、私がオーナーの会社でも、香港法人のM&Аを一通り経験したところだ。日本が有史以来の急激な人口減少局面にあるなかで―これを平川克美は「移行期的混乱」と表現したが―もはや国内だけで完結する商売はなくなってきているのかもしれない。ならばクロスボーダーのM&Аもまた生活そのものかもしれない。
書評にあたって本書を読んでみた。私のような門外漢でも、多少のビジネス経験があればとても容易に内容を理解できる。加えて、章立てそれぞれがケースになっており、極めて具体的にビジネスの実務者の目線で書かれているため、クロスボーダーM&Аの入門書でありながら、他の業界からの転職者やM&А担当部署への異動を控えた人などがその準備として読むのにもよいと感じた。また各国特有の事情にも具体的に触れられており、この辺はさすがEYのTAS組織である。またタイトルにもなっている「リスク対応50」についても極めて目線が実務者寄りでおもしろい。社会人であれば誰もが多かれ少なかれ失敗してきたと思う、軽はずみで言ってしまった一言や、裏付けなく口頭で結んでしまった約束など、典型的な冷や汗をかく場面がたくさんケースのなかに埋め込まれており、それがM&Аのそれぞれの局面においてどんな問題を起こすのかを説明し、そして回避策にも言及している。つまりビジネス経験者は頭をたてに振りながら読み進めるはずである。
一方で情報社会学者として指摘しておかなくてはならない点もいくつかある。まずITとIPのデューデリジェンスの実態についての書き込みが極めて薄く甘い点だ。日進月歩のITについては買収対象会社のB/Sに載っている資産が一夜にしてゼロになることは日常茶飯事である。私が非常勤パートナーを務めているM&Аファームでは、ここについて毎日引っ張りだこになっている。つまり助言できる人が極めて少ないのだ。同じようにIPについても、特にクロスボーダーであるとその見えない資産(invisible asset)の価値についての感覚が全く異なることも多い。次に人事の観点で、特に「IT人材」の評価が正しくされないことによるPMIの不調が多いなかでその点を完全に書き飛ばしている。完璧に対応するのは難しい。だからこそTASの価値が高まる時代と理解している。
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