経営

気候変動リスクへの実務対応―不確実性をインテグレートする経営改革

定価:4,620円(税込) 送料について

発行日:2020-02-20
A5判/380頁
ISBN:978-4-502-33531-0

紹介文

企業経営にいかに気候変動を取り込むか?国際論議の動向や関連する規制・コード・ガイダンスを整理し、ガバナンスや経営管理等を中心に企業がどのように対応すべきかを詳解。

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気候変動リスクへの実務対応 家森信善(神戸大学教授)さんのコメント (2020/05/19)
旬刊経理情報2020年6月1日号 inほんmation欄より

本書は、有限責任監査法人トーマツで、気候変動を含むESG関連のアドバイザリーサービスに従事している、後藤茂之氏をはじめとした13人の専門家によって執筆されている。気候変動リスクやESGについてはさまざまな書物で扱われているが、本書は気候変動リスクに対して経営に何が求められるかを網羅的にまとめている点で特筆すべきである。
気候変動が企業、投資家、金融機関にとって潜在的に大きなリスクになっていることは誰もが知っている。その気候変動リスクの特性の1つは、不確実性が高く、長期的な視点に立って対応しなければならない点にある。企業等がこれまで対処してきた伝統的なリスクとは大きく異なり、従来とは異なったリスク管理の方法が必要となる。
編者の後藤氏はわが国における統合的管理(ERM)を指導してこられた方であるがゆえに、気候変動リスクをERMのフレームワークで対処するための具体的な方策を説得的に提示することができている。
ごく簡単に、本書の構成を紹介しておこう。まず、第Ⅰ章「気候変動に関連する国際論議と今後の方向性」において、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)など、これまでに積み重ねられてきた国際的な取組みが解説される。そのなかには、責任投資原則(PRI)や持続可能な保険原則(PSI)などの金融機関に関連する取組みや、自然資本会計や気候変動リスクに関しての非財務情報の開示などの議論が含まれている。
第Ⅱ章「グリーンファイナンス市場の整備」では、気候変動に対処する金融市場のあり方の観点からグリーンファイナンス市場が解説されている。
第Ⅲ章「気候変動のインテグレーションのための基本事項の整理」では、米国トレッドウェイ委員会組織委員会(COSO)が提示したCOSO ERMフレームワークをベースにしながら、気候変動リスクをERMに統合していくうえでの基礎知識が解説される。
以下、第Ⅳ章「気候変動と『リスクの特定』」、第Ⅴ章「気候変動と『リスクの評価』」、第Ⅵ章「気候変動と『リスク処理』」、第Ⅶ章「気候変動と『モニタリング(リスクの検証と改善)』」では、気候変動を経営にインテグレートするためにどのように実務対応していくべきかが段階を踏んで説明されている。
最後に、第Ⅷ章「経営環境の大きな変化への対応」では、リスクガバナンスの強化とリスクカルチャーの醸成について議論されている。本書の議論のエッセンスと議論の構造が図表を使って簡潔にまとめられている。
最後に、付録として「関連する規制・コード・ガイダンス」が、世界、日本、欧州、米国についてまとめられている。
本書は350ページを超える量とその質の両面から、わが国の実務に大きな影響を与えることが確実である。1つだけ要望しておくと、本書に充実した索引が欲しかった。そうすれば、辞書的にも活用でき、より有用性が増すはずである。
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