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本気で取り組むガバナンス・開示改革―経営者とアナリストによる価値共創

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定価:2,530円(税込) 送料について

発行日:2020-04-14
A5判/160頁
ISBN:978-4-502-34421-3

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紹介文

将来の不確実性が高い経済環境の中、企業価値向上や持続的成長に資するガバナンス・開示はどうあるべきか? 近年の改革を踏まえ、企業とアナリストのなすべきことを提示。

目次

<本書の趣旨>
多くの日本の企業グループが株式市場において低く評価されていることを受けて、「未来投資戦略2018報告書」(2018年6月15日閣議決定)では、経済構造革新への基盤づくりに向けた大胆な規制・制度改革の必要性を述べています。具体的な改革対象として、「投資促進・コーポレートガバナンス」を掲げ、改革の具体策の1つとして「建設的な対話のための情報開示の質の向上」に取り組むことを求めています。
こうした流れの中で、日本においてコーポレートガバナンスおよび企業情報の開示改革に関する諸施策がとられてきています。
これに対し、企業は企業価値の向上や持続的成長に向けて、さらにガバナンス・開示改革にさらに本気で取り組み、投資家・アナリストは、企業開示の質および対話の質の向上の流れの中で「インベストメント・チェーン」の中で情報仲介者として期待されている役割を再認識して目利き力を磨き、企業との対話を通じてそれを果たしていく局面です。不確実性が高まる時代だからこそ、より踏み込んで経営者とアナリストとの企業価値の共創を視野に入れることを期待しています。

<本書の読み方>
① 企業の経営陣、社外役員、企画部門、IR部門、内部監査部門の方々
各章の「開示事例を踏まえた論考」および章末の「<実践編>トップインタビューについてのアナリスト達の感想―本音の例」をご覧いただき、「経営基盤」に支えられた企業価値創造に関する視点をはじめとして、少しでも新たな経営上の視点等を感じ取っていただく機会としていただければと考えています。
また、企業の企画部門以外の部門の担当役員の方などにも、<実践編>から、まずは、アナリストが企業グループ全体に期待するものを感じ取っていただければ嬉しい限りです。
② アナリストの方々
企業とアナリストの価値共創に向けて、本書の「開示事例を踏まえた論考」および章末の<実践編>を読み、従来に増して建設的な企業との対話に関する考察を深め、企業の「目利き力」を磨いてください。

<Contents>
第1章 今、なぜガバナンス・企業開示改革が求められるのか?
第2章 アナリストの視点の根幹となる「経営基盤」の評価とは?―金融危機から学んだ教訓の普遍性
第3章 アナリストの視点①:経営戦略の事業環境との整合性、ビジネスモデルの持続可能性
第4章 アナリストの視点②:重要性の増すリスク管理を核とした経営管理手法(ERM)の実効性
第5章 アナリストの視点③:形式要件の充足を超えたガバナンスの実効性とは?
第6章 アナリストの視点④:ESGの財務への影響とは?―気候変動に焦点を当てて
第7章 アナリストの視点⑤:非財務情報の充実の費用対効果とは?
補 章 監査報告書に求められる情報価値とは?

評価

1件の評価があります。

本気で取り組むガバナンス・開示改革 木村祐基(一社スチュワードシップ研究会)さんのコメント (2020/06/29)
旬刊経理情報2020年7月10日号 inほんmation欄より

2014年のスチュワードシップ・コード、2015年のコーポレートガバナンス・コードの導入により、投資家と企業との「対話」を通じて、企業のガバナンス改革と長期的な企業価値の向上を促すという取組みが定着してきた。さらに、建設的な対話のためには企業の情報開示が重要であることから、特に非財務情報の開示の充実を図る官民の取組みも進んできた。
しかし、わが国の株式市場の現状をみると、株価評価の代表的な指標の1つであるPBR(株価純資産倍率)が1倍未満─すなわち保有資産の金額を超える企業価値を創造していないと市場で評価される会社が依然として約半数を占めており、ガバナンス改革は道半ばという状況である。
将来の不確実性が高まるなかで、企業が環境変化に対応した持続的成長を遂げていくために、投資家と企業の真に建設的な対話が求められているのではないか。本書の著者の問題意識もまさにこの点にあり、あらためてガバナンスと開示のあり方を見直すことで、対話を通じた「経営者とアナリストによる価値共創」(本書副題)を目指そうとの著者の思いが伝わってくる書になっている。
「対話」がすれ違いになる1つの理由は、企業の開示する情報と投資家・アナリストが欲している情報に乖離があることであろう。本書の特徴は、全7章にわたって「アナリストの視点」をキーワードとして、規律ある経営につなげていくとの観点から解説されていることである。各章は、経営基盤、経営戦略・ビジネスモデル、リスク管理・経営管理、ガバナンスの実効性、ESGの影響、非財務情報の費用対効果、となっており、補章として、KAM(監査上の主要な検討事項)を紹介している。各章では、FSB(金融安定理事会)をはじめとする国際的な機関の報告書などが紹介されており、世界のトレンドがよくわかる。
また、国内外の企業のアニュアルレポートなどから、実際の開示事例を示して解説されており、実務家にとってわかりやすい。
各章の末尾には「トップインタビューについてのアナリスト達の感想―本音の例」というページがあり、アナリスト達の考え方が理解できるだろう。また、随時「コラム」として、最近話題になるトピックが解説されており、読み物としても楽しい。
著者の水口啓子氏は、外資系金融機関や信用格付会社等でアナリストとして長年活躍され、現在は企業会計審議会委員なども務める企業分析の専門家である。外資系機関で多くのトップインタビューに同席されてきた経験から、「経営者が高い知見を有した先輩アナリストに耳を傾け、アナリストから気づきを得ているさまを目の当たりにした」(本書「はじめに」より)という。本書は、企業の経営者、IR担当者に向けてアナリストの視点を経営に活かしてほしいとのメッセージであるとともに、経営者が耳を傾けるような高いレベルの対話を目指してほしいというアナリスト・投資家への応援メッセージでもあるように感じられる。
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