本気で取り組むガバナンス・開示改革―経営者とアナリストによる価値共創

水口 啓子
定価:2,530円(税込)

発行日:2020/04/14
A5判 / 160頁
ISBN:978-4-502-34421-3

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本の紹介
将来の不確実性が高い経済環境の中、企業価値向上や持続的成長に資するガバナンス・開示はどうあるべきか? 近年の改革を踏まえ、企業とアナリストのなすべきことを提示。

目次



本気で取り組むガバナンス・開示改革
―経営者とアナリストによる価値共創
目次

第1章 今,なぜガバナンス・企業開示改革が求められるのか?
 1 なぜ日本の企業の価値は割り引かれるのか?  
 2 コーポレートガバナンス改革の動向  
  ―より実効的な議論への期待  
  コラム①  アナリストによって注目点が異なるのか?  
 3 企業開示改革の動向  
 実践編  企業とアナリストの思い―本音の例  

第2章 アナリストの視点の根幹となる「経営基盤」の評価とは?
     ―金融危機から学んだ教訓の普遍性 

 1 どうすれば「自己規律のある経営」は実現できるか?
  ―金融安定理事会(FSB)の指摘を踏まえて  
 2 経営の意志「どのようなリスクをどの程度とるか」
  :リスクアペタイト  
 3 目指す「経営の実現」に必須の規律
  :リスクガバナンス  
 4 「経営の意志」の浸透:企業文化/価値観の共有  
 5 「規律ある経営の実現」を動機づける手段
  :報酬体系  
 実践編  トップインタビューについてのアナリスト達の感想
      ―本音の例  

第3章 アナリストの視点①:経営戦略の事業環境との整合性,
    ビジネスモデルの持続可能性

 1 戦略は激変する事業環境と整合的か?  
 2 熾烈な競争下でもビジネスモデルは持続可能か?  
 実践編  トップインタビューについてのアナリスト達の感想
      ―本音の例  
 参考資料 金融庁「記述情報の開示に関する原則」(抜粋)① 

第4章 アナリストの視点②:重要性の増すリスク管理を核とした
    経営管理(ERM)の実効性

 1 なぜリスク管理を核とした「透明性の高い経営管理手法」が
  重要か?  
 2 透明性の高い経営管理手法の開示例―リスク管理を核として事業
  選択はいかに行われ得るか?  
 実践編  トップインタビューについてのアナリスト達の感想
      ―本音の例  
 参考資料 金融庁「記述情報の開示に関する原則」(抜粋)② 

第5章 アナリストの視点③:形式要件の充足を超えた
    ガバナンスの実効性とは?

 1 ガバナンス体制はどのように変遷してきたか?  
 コラム③  機関設計によってガバナンスの実効性が異なる?  
 2 ガバナンスの実効性向上に向けた課題とは?  
 3 リスクガバナンスの枠組みでの取締役会とは?  
 4 ガバナンスの観点からの経営陣の動機づけとなる役員報酬決定
  とは?  
 実践編  トップインタビューについてのアナリスト達の感想
      ―本音の例 

第6章 アナリストの視点④:ESGの財務への影響とは?
     ―気候変動に焦点を当てて

 1 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)報告書
  ―気候変動が企業の戦略,財務に与える影響とは?  
 2 TCFDの提言を受けた日本の動向
  ―TCFDの提言を受けて期待される開示とは?  
 3 ESG情報開示の枠組みはどのようなものか?  
 4 投資判断に活用できるESG指数とは?  
 5 気候変動が信用力評価に与える影響とは?  
 実践編  トップインタビューについてのアナリスト達の感想
     ―本音の例  

第7章 アナリストの視点⑤:
    非財務情報の充実の費用対効果とは?

 1 充実が進む企業情報の開示の有用性とは?  
 コラム④  統合報告書はどのように受け入れられているのか?  
 2 企業情報の開示の氾濫に関する課題への対応に向けた施策の例
  ―CRDのイニシアティブ  
 3 費用対効果の観点からの開示情報の充実に向けての留意点
  とは?  

補章 監査報告書に求められる情報価値とは?
 1 グローバルに注目が高まる「監査上の主要な検討事項」とは?  
 2 日本における監査報告書の情報価値向上への道  
 3 さまざまな市場関係者の果たし得る役割とは?
  ―監査報告書の情報価値の向上に向けて   
 コラム⑤ 英国のアナリストの目から見たKAMとは? 


著者プロフィール
水口 啓 (みずぐち けいこ)
株式会社日本格付研究所審議役
JP モルガン,スタンダード&プアーズ,プライスウォーターハウスクーパース(中央青山監査法人)等を経て,2005年に株式会社日本格付研究所へ入社。2008年には格付企画部長兼チーフ・アナリストとして,企業の分析を行い,格付基準の検討にも関与,2017年より現職。金融審議会「保険商品・サービスの提供等の在り方に関するWG」,金融審議会「保険会社のグループ経営に関する規制の在り方WG」メンバー等を歴任。また金融審議会「ディスクロージャーWG」メンバーとして,企業と投資家・アナリストとの建設的な対話に向けた企業開示のあり方も踏まえた審議等に関与。現在,公認会計士・監査審査会委員,企業会計審議会委員・監査部会委員,企業会計基準委員会 ディスクロージャー専門委員会専門委員,金融商品専門委員会専門委員,保険契約専門委員会専門委員,日本証券業協会「社債市場の活性化に向けたインフラ整備に関するWG」メンバー等を務める。
〈主要著書〉
『変わる生保 消える生保―よくわかる「生保」大選別時代の新基準』
東洋経済新報社,2002年


著者紹介

水口 啓子(みずぐち けいこ)

担当編集者コメント
<本書の趣旨>
多くの日本の企業グループが株式市場において低く評価されていることを受けて、「未来投資戦略2018報告書」(2018年6月15日閣議決定)では、経済構造革新への基盤づくりに向けた大胆な規制・制度改革の必要性を述べています。具体的な改革対象として、「投資促進・コーポレートガバナンス」を掲げ、改革の具体策の1つとして「建設的な対話のための情報開示の質の向上」に取り組むことを求めています。
こうした流れの中で、日本においてコーポレートガバナンスおよび企業情報の開示改革に関する諸施策がとられてきています。
これに対し、企業は企業価値の向上や持続的成長に向けて、さらにガバナンス・開示改革にさらに本気で取り組み、投資家・アナリストは、企業開示の質および対話の質の向上の流れの中で「インベストメント・チェーン」の中で情報仲介者として期待されている役割を再認識して目利き力を磨き、企業との対話を通じてそれを果たしていく局面です。不確実性が高まる時代だからこそ、より踏み込んで経営者とアナリストとの企業価値の共創を視野に入れることを期待しています。

<本書の読み方>
① 企業の経営陣、社外役員、企画部門、IR部門、内部監査部門の方々
各章の「開示事例を踏まえた論考」および章末の「<実践編>トップインタビューについてのアナリスト達の感想―本音の例」をご覧いただき、「経営基盤」に支えられた企業価値創造に関する視点をはじめとして、少しでも新たな経営上の視点等を感じ取っていただく機会としていただければと考えています。
また、企業の企画部門以外の部門の担当役員の方などにも、<実践編>から、まずは、アナリストが企業グループ全体に期待するものを感じ取っていただければ嬉しい限りです。
② アナリストの方々
企業とアナリストの価値共創に向けて、本書の「開示事例を踏まえた論考」および章末の<実践編>を読み、従来に増して建設的な企業との対話に関する考察を深め、企業の「目利き力」を磨いてください。

<Contents>
第1章 今、なぜガバナンス・企業開示改革が求められるのか?
第2章 アナリストの視点の根幹となる「経営基盤」の評価とは?―金融危機から学んだ教訓の普遍性
第3章 アナリストの視点①:経営戦略の事業環境との整合性、ビジネスモデルの持続可能性
第4章 アナリストの視点②:重要性の増すリスク管理を核とした経営管理手法(ERM)の実効性
第5章 アナリストの視点③:形式要件の充足を超えたガバナンスの実効性とは?
第6章 アナリストの視点④:ESGの財務への影響とは?―気候変動に焦点を当てて
第7章 アナリストの視点⑤:非財務情報の充実の費用対効果とは?
補 章 監査報告書に求められる情報価値とは?