日本の資本主義と会社法―グローバルな基準への提言

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森田 章

定価(紙 版):3,520円(税込)

発行日:2014/04/30
A5判 / 256頁
ISBN:978-4-502-10371-1

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本の紹介
グローバルな競争にさらされる資本主義経済のインフラとして、わが国の制度の課題を論ずる。法が起業家精神あふれる経営者の枷とならないために、規制のあり方を追及する。

目次


日本の資本主義と会社法
■グローバルな基準への提言
目次

第1編 総  論
 第1章 資本主義と会社法
  1.資本主義の本質
  2.コーポレート・ガバナンスの目的
  3.アメリカの経営判断原則
  4.資本市場によるコントロール
  5.コーポレート・ガバナンスの重要性の増大
  6.コーポレート・ガバナンスとディスクロージャー
  7.連邦証券諸法による規律

第2編 日本の資本主義の展開と会社法
 第2章 わが国の資本主義体制の展開
  1.国家資本主義
  2.戦後の資本主義体制
  3.社会的作用を負担する株式会社
  4.総会屋という奇妙な現象

 第3章 コーポレート・ガバナンスに対する国家規制
  1.会社法の沿革
  2.会社の公共性
  3.会社法の変遷―ドイツ法からアメリカ法へ
  4.株主の地位
  5.取締役会の厳格な監督責任
  6.監査役制度の改革

第3編 グローバルな資本主義と会社法の課題
 第4章 グローバル化する資本主義のコーポレート・ガバナンス
  1.アメリカにおける株主利益の最大化の再認識
  2.ヨーロッパにおけるステークホルダー・モデル
  3.グローバル化に向けたわが国の議論―監査役制度の再評価

 第5章 営業の自由を否定する裁判所の後知恵
  1.経営判断の原則という事後の司法審査
  2.最高裁判所の描く銀行頭取の任務
     ―不注意な融資判断は刑務所に
  3.最高裁判所による債権者保護政策
  4.債権者保護のための査定と裁判所

 第6章 グローバルスタンダードによる役員の責任緩和
  1.アメリカにおける役員の民事責任の緩和
  2.ドイツにおける立法
  3.わが国における役員の責任制限立法

第4編 資本市場の課題
 第7章 国家による証券市場の管理
  1.証券市場の沿革
  2.証券市場の株主の特徴
  3.証券市場に対する政策立案行政
  4.アメリカの連邦証券規制の哲学
  5.市場価格のコントロール
  6.金融システムの安定のための銀行保有株の処分
  7.証券会社の破綻回避のための徳政令―損失補塡禁止立法
  8.証券市場に対する信頼の保護―インサイダー取引禁止政策
  9.業者監督による投資者保護の失敗
  10.投資者保護のための監督機関へ

 第8章 金融システム改革と投資者保護
  1.業者規制から投資者保護の監督へ
  2.投資者保護の民事責任制度の枠組み
  3.金融商品取引法の目的規定における投資者保護
  4.金融商品販売法の制定
  5.金融商品販売法の改正
  6.適合性の原則
  7.民事救済としての課徴金制度に向けて

 第9章 証券詐欺の民事責任の確立へ
  1.金融商品取引法21条の2の問題点
  2.会社法350条の会社の損害賠償責任
  3.突出した規定(21条の2)の制定
  4.ライブドアの最高裁判所判決
  5.証券詐欺の場合
  6.金融商品取引法21条の2改正の必要性

第5編 資本主義の憲法秩序
 第10章 国家による企業支援
  1.産業政策
  2.破綻金融機関等への公的資金の投入
  3.日本航空の会社更生と株主の権利
  4.原子力損害についての国家と株主の負担

 あとがき

 索  引



著者プロフィール 森田 章(もりた あきら)
1949年生まれ。同志社高校卒業。神戸大学法学部卒業。
1977年神戸大学大学院法学研究科修了(法学博士)。
1978–79年 米国イエール・ロー・スクール客員研究員。
1991年から同志社大学教授。
弁護士法人三宅法律事務所客員弁護士
公認会計士試験委員,法制審議会会社法部会臨時委員,司法試験考査委員を歴任。

〈主要著書〉
『現代企業の社会的責任』(商事法務研究会,1978年)
『投資者保護の法理』(日本評論社,1990年)
『企業内容開示制度―法規制の展開と課題』(中央経済社,1991年)
『インサイダー取引』(講談社,1991年)
『現代企業法入門』(有斐閣,1995年)
『会社法の規制緩和とコーポレート・ガバナンス』(中央経済社,2000年)
『金融サービス法の理論』(有斐閣,2001年)
『日本会社法制への提言』(共著,商事法務,2008年)
『上場会社法入門(第2版)』(有斐閣,2010年)





















著者紹介

森田 章(もりた あきら)

担当編集者コメント
昨今、社外取締役導入の進展が話題となっています。著者は、日本企業の経営実態に照らして、社外取締役の意義について厳しく評価するとともに、監査役について再評価すべきとの提言をしてます。
そのほか、議論の対象は、営業の自由と憲法、企業経営への国家の関与など、著者の研究領域をやや越えて、著者ならではの世界を展開してます。