持続可能な建物価格戦略―従来の価格設定を覆す会計の視点

土屋 清人
定価:2,750円(税込)

発行日:2020/06/24
A5判 / 208頁
ISBN:978-4-502-35081-8

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本の紹介
従来の積上方式による建物価格の設定方法から会計や税務で使われる減価償却の考え方を加味した持続可能な価格設定への変更を提案する書。日本の建物価格の常識を変える一冊。

目次



持続可能な建物価格戦略
―従来の価格設定を覆す会計の視点
目次

はしがき
序章 なぜ,建物価格を会計思考にするのか?
1 会計思考から「建物の価格」をデザインする
2 建物の価格は,このままでよいのでしょうか?
3 価格の決め方は自由であるべき
4 コストプラス法とは
5 建設会社と顧客
6 建物の価格はいくつかの価格の合計額である
7 会計・税務における建物の範囲と価格構成
8 「躯体部分」と「附属設備部分」とは
9 コストプラス法の問題点
10 減価償却の計算ポイント
11 耐用年数は税法で規定された償却率を使用する
12 コストプラス法が社会問題を引き起こす
13 高級お寿司屋さんの利益概念が大切

第1章 建物価格戦略のポイントは減価償却にある!
14 建物の価格戦略でメリットを享受する人たち
15 建物の価格は効用価値によって決まる
16 建物の価格戦略のポイントは?
17 建物は50年間で減価償却
18 建物附属設備は15年間で減価償却できる
19 価格構造メソッド
20 価格構造メソッドにより取得原価が変わる

第2章建物価格戦略を担保する理論とは?
21 建物価格戦略を担保するさまざまな理論
22 価格構造メソッドにおける正当性の検証⑴
23 価格構造メソッドにおける正当性の検証⑵
24 価格構造メソッドにおける正当性の検証⑶
25 建物の価格構造メソッドとは

第3章 マーケティング理論からのアプローチ
26 マーケティング定義と建物の価格
27 価格設定の規制
28 価格設定の原則とは
29 価格設定の方法論
30 不当な取引制限(入札談合等)禁止と積算
31 顧客にとっての積算とは?

第4章 ISO・CSR・CSV理論からのアプローチ
32 世界基準であるISOとは何か?
33 ISOは「社会的責任」の定義も規格化
34 企業の「社会的責任」とは何か?
35 4つの倫理的な行動を伴う社会的責任
36 「建設会社の社会的責任」と「ステークホルダー」
37 「建物の価格問題」と「建設会社の社会的責任」
38 「建設会社の社会的責任」と「統合」と「建物の価格問題」
39 CSVから考察する「価格構造メソッド」の意義
40 CSVとは政府やNGOではなく企業が社会の難問に立ち向かうこと
41 ESG投資における建設会社が取るべき戦略

第5章 なぜ建物(躯体)価格が附属設備価格より大きく
     なるのか?

42 なぜ建物の価格構造は70:30になってしまうのか?
43 請負契約書の工事見積額とコストプラス法
44 建設工事の見積りと建設会社の利益
45 建物の原価計算と見積価格
46 建設会社の価格設定
47 建設会社に有利な建設業法20条1項
48 一部の顧客に不利な建設業法20条1項
49 顧客にとって価値がない積算?
50 戦争と建物の原価計算

第6章 憲法と税務行政と租税法律主義
51 憲法から考える営業の自由と価格設定
52 営業の自由権はどこまで認められるのか
53 価格構造メソッドと行政
54 租税法律主義と減価償却
55 税務調査と減価償却と適正手続保障

第7章 価格戦略と政策提言(応用編)
56 価格構造メソッドによる空き家対策
57 建設会社の付加価値労働分配率を上げる
58 長期修繕計画書をCSRに活用する
59 店舗の改修工事の場合
60 復興対策の政策提言 10:90理論

第8章 価格構造メソッドが変える生命保険活用法
61 生命保険を修繕積立金として活用する考え方
62 「価格構造メソッド」による生命保険活用法
63 災害時には生命保険を地震保険として活用する
64 生命保険活用法の行政的根拠と損金算入割合
65 代替的地震保険としての生命保険活用法
66 生命保険の選定ポイントと解約返戻金とは

第9章 会計人が知らない建物工事内訳書とは?
67 建物の工事費構成
68 直接工事費とは
69 高額な大規模修繕工事費用
70 工種別内訳書とは
71 大規模修繕工事の工事内訳書とは
72 建物価格は基本的に物量計算によって成立している
73 直接仮設の物量計算から考察する「式」の意味
74 コンクリ-トも物量計算

第10章 会計における「建物勘定」の問題点
75 ROAと減損会計と架空資産のツケ
76 エクイティの概念
77 減価償却の理論性の問題点
78 財務報告における不正防止チェック
79 建物における内部統制の問題
80 粉飾決算の問題

第11章 減価償却の限界と価格構造メソッドの意義
81 著名な会計学者の嘆き
82 スクラップ・アンド・ビルド概念から考える価格構造メソッドの重要性
83 経営者は減損損失より正規の償却で対応すべき
84 建物の数が勝手に増える税法の単位の考え方
85 会計学における建物の考え方とサステナビリティ
86 裁判所の証拠資料としての取得原価
87 資本的支出という不明確な基準と減価償却
88 法律ではない通達
89 循環型社会形成を阻む資本的支出の変更による大増税

第12章 顧客を満足させる建物価格とは?
90 持続可能な建物に必要な資金調達
91 原価計算の非原価項目と価格構造メソッド
92 顧客における「値打ち」の概念とは
93 循環型社会形成と会計と税制
94 付加価値の高い商品を作っても顧客は満足しない
95 「善」から考える倫理の重要性

終章 建物価格のあるべき姿を求めて
96 キャッシュフローにおける減価償却の意義
97 コンポーネント・アカウンティングの代替案
98 会計学にとっての価格構造メソッドの意義



著者プロフィール
■著者紹介
土屋清人(つちや きよと)
駒澤大学大学院商学研究科修了。
千葉商科大学商経学部 専任講師。千葉商科大学大学院商学研究科 兼担。千葉商科大学会計大学院 兼担。博士(政策研究)。租税訴訟学会・常任理事。
著書:『建物の一部除却会計論』(中央経済社),『地震リスク対策 建物の耐震改修・除却法』(共著・中央経済社)等,「企業会計」「税務弘報」等論文多数。
受賞歴:一般社団法人 日本経営管理協会 協会賞「建物の架空資産と工事内訳書との関連性」


著者紹介

土屋 清人(つちや きよと)