会計規制の研究

大石 桂一

定価(紙 版):4,620円(税込)

発行日:2015/06/16
A5判 / 392頁
ISBN:978-4-502-48060-7

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本の紹介
1930年代、米国SECはなぜ民間に会計基準の設定を付与したのか。この時点をベンチマークにして、近年の金融危機まで、会計基準の設定プロセスの変化を明らかにしていく。

目次


会計規制の研究
目次

 はしがき

 序 章 研究の目的と課題
  1 会計基準設定のアウトソース
  2 規制のオーバーラップ
  3 会計規制の国際的展開

第1部 会計基準設定のアウトソース
 第1章/会計基準設定のアウトソース:仮説
  1 はじめに
  2 会計基準の性格と会計基準設定者の役割
  3 会計基準の設定とエンフォースメント
  4  分析対象期間における結果についての事実認定と検討課題
  5 仮  説
  6 おわりに:次章に向けて

 第2章/証券二法の制定過程
  1 はじめに
  2 証券二法の制定
  3 考  察
  4 おわりに:次章に向けて

 第3章/SEC創設期における会計規制の方向性
  1 はじめに
  2 初代SEC委員および委員長の任命
  3 SECの創設期における方向性
  4 考  察
  5 おわりに:次章に向けて

 第4章/ 1933年証券法の制定までの自主的会計規制
        ―NYSEと会計プロフェッションの取組み
  1 はじめに
  2 1933年までの状況
  3 証券法への会計プロフェッションの影響
  4 考  察
  5 おわりに:次章に向けて

 第5章/会計プロフェッションによる自主規制体制の確立
  1 はじめに
  2 証券諸法への会計プロフェッションの対応
  3 会計プロフェッションの「統合」
  4 「会計原則」の公表
  5 自主規制体制の確立
  6 考  察
  7 おわりに

 第6章/第1部の総括
  1 はじめに
  2 仮説の検証結果
  3 おわりに

第2部 規制のオーバーラップ
 第7章/米国の石油・ガス会計
  1 はじめに
  2 問題の所在
  3 規制の説明理論
  4 予備的考察1:議会制度と議員の行動
  5 予備的考察2:議員の投票行動に関する実証分析
  6 過程追跡
  7 考  察
  8 おわりに

 第8章/金融規制と会計規制の相克
  1 はじめに
  2 米国の金融規制システムの特徴
  3 SECによる銀行ディスクロージャー規制
  4 S&L危機と時価会計
  5  ファイヤー・ウォールの撤廃とSECによる規制の失敗
  6 おわりに

第3部 会計規制の国際的展開
 第9章/英国におけるPFI会計
  1 はじめに
  2 英国におけるPFI会計をめぐる問題の所在
  3 PFI会計に対する大蔵省の立場
  4 PFI会計基準をめぐる大蔵省とASBの対立と妥協
  5 PFI会計基準をめぐる対立の構図
  6 PFI会計基準をめぐる利害対立の意味
  7 おわりに:次章に向けて

 第10章/ 国際的なPFI会計基準の設定と承認
  1 はじめに
  2 グローバル化と国家の役割の変容
  3 IFRIC第12号の概要
  4 EUにおける承認問題
  5 考  察
  6 おわりに:次章に向けて

 第11章/ グローバルな会計規制の枠組みとその変化
  1 はじめに
  2 グローバル・スタンダードへの関心の高まり
  3 IASCの組織改革
  4 グローバルな会計基準設定主体としてのIASB
  5 国際金融規制と会計規制の枠組み
  6 おわりに

 終章/総括と展望
  1 総  括
  2 展望と今後の課題

 ■参考文献

 ■索  引




著者プロフィール 大石 桂一(おおいし けいいち)
1990年 九州大学経済学部卒業,九州大学大学院経済学研究科進学
1996年 佐賀大学経済学部専任講師,助教授を経て
1999年 九州大学より博士(経済学)の学位を取得
2006年 九州大学大学院経済学研究院助教授,准教授を経て
2013年 九州大学大学院経済学研究院教授となり,現在に至る。

[主要著書]
『ケリー・ニュートンの会計政策論』(単訳,九州大学出版会,1999年)
『アメリカ会計規制論』(単著,白桃書房,2000年)
『マクロ会計政策の評価』(共著,神戸大学経済経営研究所,2002年)
『体系現代会計学第1巻 企業会計の基礎概念』(共著,中央経済社,2011年)
『金融危機と会計規制―公正価値測定の誤謬』(共著,中央経済社,2012年)




















著者紹介

大石 桂一(おおいし けいいち)