株式報酬制度の設計と課題―リストリクテッド・ストック&業績条件付ストック・オプションの活用

中村 慎二

定価(紙 版):3,630円(税込)

発行日:2023/07/27
A5判 / 288頁
ISBN:978-4-502-46691-5

送料について
本の紹介
株式報酬制度(リストリクテッド・ストックと有償ストック・オプション)の仕組みや評価、留意点、長所・短所、残された課題について、法務・会計・税務等の観点から再検証。

目次

第1編 報酬制度総論

第1章 CGコードを踏まえた報酬設計
 1 はじめに
 2 CGコードの位置づけ
 3 CGコードの諸原則を踏まえた経営者報酬制度の考え方

第2章 報酬制度の基本的枠組み
 1 報酬制度の4区分
 2 基本報酬
 3 短期インセンティブ報酬
 4 長期インセンティブ報酬

第3章 基本報酬設計上の考慮事項
 1 基本報酬の意義
 2 基本報酬の水準を決定する際の考慮事項
 3 税制上の留意事項

第4章 短期インセンティブ報酬設計上の考慮事項
 1 短期インセンティブ報酬の意義
 2 経営者報酬ガイドラインに挙げられた考慮事項
 3 税制上の留意事項

第5章 長期インセンティブ報酬設計上の考慮事項
 1 長期インセンティブ報酬の2類型―「オプション型」と「フルバリュー型」
 2 権利の付与(grant)と権利の確定(vesting)

第6章 報酬制度設計上の工夫
 1 報酬制度の評価上の考慮事項
 2 最適な報酬の組合せ比率の検討

第2編 リストリクテッド・ストック

第1章 リストリクテッド・ストックとは
 1 インセンティブ報酬としてのリストリクテッド・ストックの意義
 2 日本版リストリクテッド・ストックの概要
 3 現物株式交付型株式報酬の各類型

第2章 リストリクテッド・ストックのインセンティブの特徴
 1 リストリクテッド・ストックから得られる経済的利益
 2 数値例
 3 リストリクテッド・ストックの長所および短所

第3章 リストリクテッド・ストックと会社法改正
 1 現物出資構成による日本版リストリクテッド・ストック
 2 令和元年会社法改正の影響
 3 現物出資構成の特徴

第4章 リストリクテッド・ストックと税制改正
 1 概 要
 2 特定譲渡制限付株式の特例を受けるための要件
 3 付与を受けた個人に対する所得課税(所得税法)
 4 特定譲渡制限付株式の交付費用に係る損金算入(法人税法)

第5章 リストリクテッド・ストックと金融商品取引法上の開示規制
 1 日本版リストリクテッド・ストックの開示規制
 2 リストリクテッド・ストック(無償交付)の「発行価額」

第6章 リストリクテッド・ストックの会計処理
 1 会計処理のパターン
 2 ストック・オプション会計基準の基本
 3 実務対応報告41号に基づく会計処理(無償交付構成+事前交付)
 4 実務対応報告41号に基づく会計処理(無償交付構成+事後交付)
 5 現物出資構成+事前交付型の会計処理

第7章 リストリクテッド・ストックの導入時の検討事項
 1 オプション型との組合せ
 2 すでに導入しているフルバリュー型との比較検討
 3 割当契約における考慮事項

第8章 パフォーマンス・シェア・ユニット固有の論点
 1 パフォーマンス・シェア・ユニットの特徴
 2 税務上の取扱い
 3 会計上の取扱い

第9章 残された会計・法律上の課題
 1 現物出資構成の会計処理の課題
 2 現物出資構成の課題
 3 無償交付構成+事前交付型の会計処理の課題

第3編 有償ストック・オプション

序章 本編の構成

第1章 有償ストック・オプションの意義
 1 無償ストック・オプションと比較した有償ストック・オプションのメリット
 2 有償ストック・オプション固有の効果
 3 報酬制度としての位置づけの妥当性

第2章 業績条件と株価条件
 1 業績条件・株価条件の意義
 2 株価条件
 3 業績条件

第3章 ストック・オプションの評価モデル
 1 ストック・オプションの評価の考え方
 2 ブラック・ショールズ・モデルの概要
 3 モンテカルロ・シミュレーション
 4 株価条件が付されたストック・オプションの評価
 5 (補足)株価条件が付されたストック・オプションの評価

第4章 業績条件付ストック・オプションの評価の限界と課題
 1 業績条件が付されたストック・オプションの評価の特殊性
 2 業績の分布のモデル化の困難性
 3 業績と株価の相関を認めるモデルの例
 4 業績と株価の独立を仮定したモデルの例
 5 相関と評価額との関係
 6 ファイナンス理論からみた業績条件付ストック・オプションの評価の難しさ

第5章 会社法の報酬規制における業績条件付ストック・オプションの評価
 1 業績条件のないストック・オプションの評価の公正性
 2 コーポレート・ガバナンスからみた会社法の報酬規制上の論点
 3 コーポレート・ガバナンスの精神に照らした業績条件付ストック・オプションの評価の考え方
 4 ファイナンス理論から予想される批判と今後の課題

第6章 有償ストック・オプションの会計上の課題
 1 有償ストック・オプションに関する会計基準の現状と課題
 2 実務対応報告36号の概要
 3 実務対応報告36号の課題

第7章 有償ストック・オプションの税務の概要
 1 有償ストック・オプションの所得課税
 2 (参考)信託型ストック・オプションの所得課税

第8章 本編の結びに代えて

著者紹介

中村 慎二(なかむら しんじ)
[プロフィール]
弁護士・公認会計士

1999年3月東京大学法学部卒業。2000年弁護士登録(53期)。2006年公認会計士登録。 2008年米国イリノイ大学会計学修士号取得。2008年公認内部監査人登録。2009年米国イリノイ州公認会計士(RCPA)登録。2010年CFA協会認定証券アナリスト。2011年日本証券アナリスト検定会員。2011年7月~2013年7月任期付公務員として金融庁総務企画局(現 企画市場局)企業開示課に勤務。2016年3月日本アクチュアリー会正会員(理事長賞受賞)。

主な著書として、『金融商品取引法違反への実務対応-虚偽記載・インサイダー取引を中心として』(2011年商事法務)(共著)、『臨時報告書作成の実務Q&A』(2015年商事法務)(共著)、『金融商品取引法コンメンタール第1巻定義・開示制度』(2016年商事法務)(共著)、『コーポレートガバナンス・コードのすべて』(2017年商事法務)(共著)、『株式実務担当者のための会計・金商法・税法の基礎知識』(2021年商事法務)、その他、金融商品取引法および会社法に基づく開示・会計・監査制度に関する論文を多数執筆。