【会計情報はここまで活かせる!】『企業会計』2021年3月号特集

企業会計

 『企業会計』2021年3月号の特集は【会計で顧客ともっとつながる データマーケティングの進化】です。
 テクノロジーの発展に伴い、ビジネスのあり方には常に変化が生じています。会計もまた然り。得られた「データ」を活かすにはどうアプローチすべきなのでしょうか? 本特集は「会計で顧客ともっとつながる」をテーマに、最新のデータマーケティングにどう対応できるかを考察します。
 この記事では、各記事のサマリーを公開します。


①セールステックで変わる管理会計――顧客動向を可視化する
 伊藤克容(成蹊大学教授)

 

 セールステックによって、管理会計は大きな発展可能性を手に入れた。効率化、高速PDCAと営業組織分業化によるノウハウ蓄積の効果は計り知れない。販売プロセスは、本体である製品・サービスの改善に役立つ情報の宝庫でもある。従来までの管理会計理論は、一気に陳腐化してしまった。理論体系の再構築が求められている。


②Who起点の経営と成長を見通す カスタマーサクセス視点のPLのあり方
 弘子ラザヴィ(サクセスラボ㈱ 代表取締役)

 

 デジタル時代は、モノ売り切りモデルからリテンションモデルへのシフトが不可逆に生じる。それに伴いカスタマーサクセス、すなわちWho起点の経営が必須になる。本稿は、デジタル時代に求められるカスタマーサクセス視点のPLについて要諦3点をひも解くと共に、現行PLがいかに有用性喪失しているかについて警鐘をならす。


③顧客との関係性構築をどう進めるか? 価値共創におけるネットプロモータースコアの役割
 青木章通(専修大学教授)

 

 本稿では、NPSの概要、価値共創環境における役割について述べる。NPSは顧客による他者への推奨意向に基づき算定される指標であり、顧客維持率の先行指標と位置付けられている。NPSは測定するだけでは意味がなく、企業と顧客との関係性構築プロセスの成果を評価する尺度として導入すべきである。


④営業部門のパートナーとして売上向上に貢献する経理とは
 池側千絵((一社)日本CFO協会 主任研究委員/インテグラート㈱ エグゼクティブコンサルタント)

 

 欧米企業のCFO部門に属するFP&A(Financial Planning & Analysis)は、事業部門・機能部門のビジネスパートナーとして業績目標達成と意思決定を支援する会計プロフェッショナルである。本稿では営業部門を支援するFP&Aである「セールスファイナンス」がどのような活動をして売上・利益の向上に貢献するのかを紹介する。


⑤「両利きの経営」実現へ 仮説発見・検証のための新たな事業計画DDP
 新江 孝(日本大学教授)・伊藤克容(成蹊大学教授)

 

 事業ライフサイクルの短縮化が認識されるのにしたがい、現在の延長線上では、企業が存続できないのではないかという危機感が広がっている。新規事業開発が多くの企業で課題となり、既存事業と新規事業を両立させる、「両利きの経営」が注目されている。成功確率を高めるには、事業計画に対するアプローチを見直す必要がある。


『企業会計』2021年3月号は2月4日(木)発売です!
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