企業財務と証券市場の研究

坂本 恒夫 編著
鳥居 陽介 編著

定価(紙 版):3,630円(税込)

発行日:2018/10/26
A5判 / 282頁
ISBN:978-4-502-27651-4

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本の紹介
企業にとって株式市場は「資金調達の場」から「機関投資家から評価される場」へと変化している。ITが発展する中で「証券市場を財務から見る」切り口により多面的に解説。

目次



企業財務と証券市場の研究
目次

     第Ⅰ部 企業経営と証券市場
第1 章 グローバルビジネスの変遷

1 グローバルビジネスと第1次グローバリゼーションの波
2 反グローバル化の時代におけるグローバル企業
3 グローバル企業と第2次グローバル経済(1945-1979)の起源
4 グローバル企業と第2次グローバル経済(1979-2008)
5 2008年以降の新たな反グローバル化の時代におけるグローバル
  企業
6 結 論

第2章 バンカーはなぜ経営者になったのか
―それは良いことなのか
1 序論:銀行,バンカー,危機
2 背景:20世紀における「経営化」の普及と浸透
3 後発者としての銀行:彼らはいかに「経営化」されるようになった
  のか
4 要約とディスカッション:バンカーは本当に経営者であるべきか?

     第Ⅱ部 株式会社からみた証券市場
第3章 証券市場の歴史

1 コーヒー・ハウスから始まった(1773-1920)
2 重化学工業化で株式資本を必要とした時代(1890-1950)
3 自己金融で証券市場からの資金調達を必要としなくなった時代
4 機関投資家がガバナンスで利用する時代

第4章 株式発行市場
1 株式による資金調達と有償増資の募集形態
2 増資形態の歴史的変遷と近年の増資の状況
3 現在の大企業の現預金保有額と自己資本比率
4 資金余剰時代における株式発行市場の意義

第5章 企業の資金調達と株式市場
1 企業の資金調達の変遷
2 株式市場に影響を及ぼす金融緩和政策と企業の財務戦略
3 株式市場の変質
4 結論:株式市場のあるべき姿

第6章 株式所有
1 株主の種類と株式保有目的
2 日本における支配的株主の変遷
3 実質株主による議決権行使
4 公的機関投資家の増大と経営行動

第7章 株式流通市場
1 流通市場の役割
2 流通市場の構造
3 流通市場における取引規模と価格指標
4 財務からみた株式流通市場

第8章 社債発行・流通市場
1 社債発行の現状
2 社債の発行市場と流通市場
3 日本の社債市場の規制の歴史
4 海外の社債市場の現状
5 社債市場の課題と今後

第9章 ベンチャー市場
1 証券市場とベンチャー市場
2 機関投資家の資金回収方法としてのベンチャー市場
3 金融危機後におけるベンチャー市場の低迷
4 新たな資金調達手段としてのクラウドファンディング

第10章 企業経営と証券市場
1 AA型種類株式の発行
2 AA株の特質と問題点
3 機関投資家の影響力の低下とトヨタのAA株発行の理由
4 会社経営と株式市場の関係

第11章 証券市場の変遷が企業財務に及ぼす影響
1 証券市場の役割
2 日本における証券市場の発展と会社財務
3 今日の証券市場と会社財務
4 企業価値評価のパラダイムの変化

     第Ⅲ部 経済・経営環境と証券市場
第12章 国民経済と証券市場

1 はじめに
2 マイナス金利政策のインパクト
3 国民経済と債券市場
4 国民経済と株式市場
5 おわりに

第13章 銀行と証券市場
―資本還元で危機を乗り切る
1 証券市場と銀行との関係―「換金性」と「カネの増殖」
2 資本の大規模化・長期化を株式で乗り切る
3 円高の危機を証券市場で乗り切る
4 BIS規制を証券化で乗り切る
5 証券市場と銀行との新たな関係―銀行系信託銀行とは何か

第14章 証券市場からみた証券化商品市場
1 変貌する証券市場の機能
2 証券化とは何か
3 なぜ,グローバルな金融危機が生じたのか
4 証券化商品市場の現状
5 証券化商品は悪なのか

第15章 日本版スチュワードシップ・コードと生命保険会社
1 日本版スチュワードシップ・コードの受け入れ状況
2 スチュワードシップ・コードの取り組み状況
3 投資・資産運用の状況
4 生命保険会社の損益の状況

第16章 M&A市場
1 M&A市場とは何か
2 日本のM&A市場の概況
3 株式市場とM&A市場の関係
4 両市場における価格形成の相違
5 買収価値と買収プレミアム

第17章 ESG投資と転換点に立つ証券市場
1 はじめに―新たな投資手法
2 企業活動と環境問題
3 環境問題と資本概念の拡張
4 証券市場とESG投資
5 ESG投資が定着する要件
6 おわりに

第18章 フィンテックと証券業界
1 はじめに
2 フィンテックの動向
3 証券業界におけるフィンテックへの取り組み
4 結 論




著者プロフィール
坂本 恒夫(さかもと つねお)
明治大学名誉教授,桜美林大学特別招聘教授,福島学院大学理事・客員教授。経営学博士。日本中小企業・ベンチャー ビジネスコンソーシアム会長。明治大学大学院長,証券経済学会代表理事,日本経営財務研究学会会長,日本経営分析学会会長などを歴任。
著書に『テキスト財務管理論』(共編著,中央経済社),『中小企業のアジア展開』(共編著,中央経済社),『企業集団財務論』(泉文堂),『企業集団経営論』(同文舘出版),『戦後経営財務史』(T&Sビジネス研究所)などがある。

鳥居 陽介(とりい ようすけ)
明治大学経営学部専任講師。経営学博士。明治大学大学院経営学研究科博士後期課程修了。日本中小企業・ベンチャー ビジネスコンソーシアム副会長(事務局長),日本経営学会,証券経済学会,日本経営財務研究学会,日本経営分析学会会員。
著書に『株式所有構造の変遷と経営財務』(中央経済社),『テキスト財務管理論』共編著,中央経済社)などがある。
















著者紹介

坂本 恒夫(さかもと つねお)

鳥居 陽介(とりい ようすけ)