コラボレーション組織の経営学

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目次

序 章 コラボレーション組織へ
 1. ピンクとフレイザー
 2. シンクロナイゼーションの解体

第1章 自律的な個が紡ぎ出す「見えざる組織」の時代へ
 1. はじめに:変化する環境
 2. 計画に基づかない即興への期待
  (1) 既存の組織原理の考え方
  (2) 組織における即興
 3. 一歩進んだ新たな組織形態とは
  (1) フリーエージェント時代の協働
  (2) 指揮者のいないオーケストラ活動
  (3) 実践コミュニティの活用
  (4) 従来の組織原理との比較
 4. 公式組織との関係
  (1) 効率性や適応の実現に優れた公式組織
  (2) 企業特殊的な人材を育てる場の必要性
  (3) 基礎的な教育・訓練機関としての必要性
 5.まとめ

第2章 境界を超えたキャリア
 1. 境界を超えたキャリア
 2. フリーエージェントの働き方
  (1) アメリカのフリーエージェントとは
  (2) フリーエージェントの働き方
 3. 日本における境界を超えたキャリア
  (1) 日本的雇用慣行と個人のキャリア
  (2) 日本におけるインディペンデント・コントラクター(IC)の働き方
  (3) 日本における派遣社員の働き方
  (4) 日本におけるマイクロビジネスの働き方:
      でじまむワーカーズのケース
 4. まとめ

第3章 なぜ会社をやめるのか:
     仕事の曖昧さと効率的な組織労働

 1. 協力的仕事環境の日本企業VS非協力的な外資系企業?
  〈日本メーカーから外資系メーカーへ転職したO氏のケース〉
 2. 個人主義的若手社員VS集団主義的上司?
  〈自己主張の強い若手社員の扱いに悩むY課長のケース〉
 3. 職務と責任についての一般的理解
 4. 組織の仕事の分割としての個人の職務
  (1) 静態モデル
  (2) 動態モデル
 5. 動態モデルからのインプリケーション
  (1) 官僚的働き方の限界
  (2) ポテンヒット
  (3) 公式評価の限界
 6.予想されない事態への組織的対処:「できる」ことと
    「(進んで)する」ことの違い
 7.職務と責任の二重構造
  (1) 柔構造組織
  (2) 職務の曖昧さ
  (3) 職務と責任の分離モデル
  (4) J(日本)柔軟貸借モデル
  (5) 個人間の自発的協力,機動性
 8.インセンティブ
  (1) フリーライダー問題
  (2) 評価と機会主義的行動
  (3) 評価と評判
  (4) 人材選抜における評判の重要性
  (5) 長期でしか観察できないマネジメント能力 ……ほか
 9.AS・交渉承認モデル
  (1) 対応方法の違い
  (2) 職務・責任の一致方式
  (3) 仕事領域調整者としてのマネージャー
 10.仕事概念の再検討
  (1) 組織か個人か:個人生産性と組織生産性
  (2) 職務を与えることの本質
  (3) 責任の構造
  (4) 実際の仕事:choiceとco-ordination
  (5) 役割期待
 11.ケースへのインプリケーション
  (1) 外資系VS日本企業
  (2) 若手社員VS中堅社員
 12.まとめ

第4章 テレワークと仕事のモビリティ
 1. テレワークの広がりとその課題
  (1) テレワークの発展
  (2) 日本のテレワーク人口
  (3) テレワークの類型
  (4) 既存のテレワーク研究の問題点
 2. 仕事のモビリティ
  (1) モビリティの概念
  (2) 場所的モビリティ:グローバルな協働
  (3) 相互作用のモビリティ:フリーアドレスオフィス
  (4) 機能的モビリティ:上司と部下との関係
 3. テレワークとワーク・ライフ・バランス
 4. モバイルワークの目的
 5. まとめ

第5章 コラボレーションを活かす経営組織
 1. 組織の発展
  (1) 組織の大規模化とその編成原理
  (2) 組織形態の多様化
 2. 組織の合理的構造と組織化
  (1) 合理的組織構造
  (2) 組織化
  (3) 組織の非合理性に着目するゴミ箱モデル
 3. 環境状況と組織デザイン
  (1) 組織デザインの基本図式
  (2) 不確実性下のデザイン戦略
 4. 新しい組織を求めて
  (1) 組織のポジティブ面の開発
  (2) 相互作用の促進
  (3) コラボレーションを活かす組織デザイン

第6章 内的コラボレーションと外的コラボレーション
 1. はじめに
 2. コラボレーション概念の範囲
  (1) 戦略とコラボレーション
  (2) 組織間関係行動概念としてのコラボレーション
 3. 内的コラボレーション
  (1) 水平戦略モデル:シナジーから相互関係へ
  (2) コラボレーションの特徴
  (3) 組織機構
  (4) アトム化した組織
 4. 外的コラボレーション
  (1) 外的コラボレーションの様々な場面
  (2) 企業とNPOのコラボレーション
  (3) 産学のコラボレーション
 5. むすび

第7章 労働から「しごと」へ
 1. 近代の労働
  (1) 時空間の共有
  (2) 組織行動としての労働
 2. 生産技術の変化
 3. 雇用労働の変化
 4. 生業という形態での「しごと」
 5. 経済的報酬は必須か
 6. 理論の改変
 7. 「しごと」の可能性

 索  引

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著者プロフィール
■編著者紹介
日置 弘一郎(ひおき こういちろう)
京都大学大学院経済学研究科・経営管理専門職大学院教授,組織学会,しごと能力研究学会,比較文明学会,日本語ジェンダー学会等理事・評議員。
[単著]
『文明の装置としての企業』(有斐閣,1994年)
『「出世」のメカニズム』(講談社,1998年)
『市場の逆襲』(大修館書店,2002年)
[編著]
『経営人類学ことはじめ』(東方出版,1997年)
『経営戦略と組織間提携の構図』(中央経済社,2005年)

二神 恭一(ふたがみ きょういち)
早稲田大学名誉教授,あらかわ経営塾長,中小企業政策審議会臨時委員,しごと能力研究学会会長,経営行動研究学会副会長。
[単著]
『参加の思想と企業制度』(日本経済新聞社,1976年)
『産業クラスターの経営学』(中央経済社,2008年)
[編著]
『産業クラスターと地域経済』(八千代出版,2005年)
『新版 ビジネス・経営学辞典』(中央経済社,2006年)

■執筆者紹介
日置弘一郎(序章,第7章)
 編著者紹介参照。
安藤 史江(第1章)
 南山大学大学院ビジネス研究科准教授
二神 枝保(第2章)
 横浜国立大学大学院国際社会科学研究科准教授
大藪  毅(第3章)
 慶應義塾大学大学院経営管理研究科専任講師
奥野 明子(第4章)
 帝塚山大学経営情報学部准教授
大月 博司(第5章)
 早稲田大学商学学術院教授
二神 恭一(第6章)
 編著者紹介参照。