コンプライアンス経営 |
[著者プロフィール][このウィンドウを閉じる] |
目次 序文 第1章 行動準則的(倫理的)存在としての人間と経営体 ―バーナードとセルズニックの理論の場合― 1 個人準則と組織準則 ―バーナード自身による掲示例― (1)個人準則の具体例 @人間の全体的・個性的な心理的・倫理的な存在態様 A人間の論理的あるいは非論理的な行動形態 B人間行動の有効性・能率性・道徳性という評価形態 C人間の倫理的存在と道徳性行動評価に関わる個人準則の 具体例 (2)組織準則の具体例 @経営体の全体的・個別的な社会的・倫理的な存在態様 A経営体の論理的あるいは非論理的な行動形態 B経営体行動・組織の有効性・能率性・道徳性という評価形態 C経営体の倫理的存在と道徳性行動評価に関わる組織準則の 具体例 2 準則間の対立とその克服失敗による人格的問題や組織的管理的 問題の発生 (1)準則間の対立とその克服失敗による人格的問題の発生 (2)準則間の対立とその克服失敗による組織的管理的問題の発生 @経営体における準則間の対立―バーナード理論の場合― A経営体における準則間の対立―セルズニック理論の場合― 3 準則間対立克服(統合)と準則浸透と組織情熱 ―管理職位の準則・倫理面と準則的・道徳的な創造― (1)管理職位の準則・倫理面 (2)管理職位(とくに組織道徳的複雑性・活動性)と責任感(引責能 力)と能力(道徳的指導力)の三位一体化 (3)組織準則と個人準則の対立克服による管理者自身の個人的確 信の必要性 (4)準則対立克服・垂範浸透・組織情熱化という管理の責任と道徳 的創造面 @準則対立の克服 A準則の垂範浸透 B行動準則とくにその浸透による組織情熱化 (5)組織貢献者の個人的確信にもとづく組織情熱による倫理戦略 的行動準則の選択・創造の意思決定・行動の体系化および道 徳的確信的な意思決定・行動の体系化 第2章 社会的・統治的・事業的・経済的制度としての経営体の理 念―ドラッカー理論の場合― 1 経営体の社会的制度面とその経営理念 (1)経営体の社会的責任 ―経営体の社会的制度面とその経営理念― @経営体目的に付随して起こる社会的衝撃 A社会自身の原因(機能の不全・不十分)からおこる社会問題 B適切な新社会の萌芽への働きかけによる新社会の構築 C個別経営体の社会的責任の有限性―社会職能遂行能力・価値 体系と権限を越える社会的引責要求に対する拒否権― D社会の一員としての個別経営体に関する社会的責任の無限性 (2)価値実現社会との関係についての経営体・経営者の社会的責 任―地球環境保護― (3)多〔超〕国籍化社会との関係についての経営体・経営者の社会 的責任―多国籍化・超国籍化や地域主義化や民族主義化に 対応して文明と文化の調和をめざした経営― (4)被傭者社会との関係についての経営体・経営者の社会的責任 @職場社会との関係 A被傭者投資家・長期被傭者との関係 B少子高齢化社会との関係 (5)知識経済との関係についての経営体・経営者の社会的責任 @知識労働者との関係 A非知識労働者あるいはその組合すなわち労働組合(知識労働 者の対抗勢力文化団体)との関係 B知識労働者の対抗勢力文化団体としてのサード・セクターとの 関係 C知識労働者の経営体構成員的な倫理責任 D非学校による知識教育事業とこれら非学校・学校の教育的責任 E知識一般化という専門知識労働者の教育的責任 F知識社会の制度化・理論化・理念化 (6)新多元社会(組織的多元社会ならびに政治的多元社会)との関 係についての経営体・経営者の社会的責任 @経営体・経営者の組織的多元社会的構成員的な倫理責任 ―双務的な義務とそれに伴う平等とに基づく互恵― A経営体・経営者の組織的多元社会構成員的な政治責任 B経営者の組織的多元社会指導者集団的な倫理責任 ―社会に対して故意に危害を加えないこと― C政治的多元社会(すなわち偏執的な少数派利害集団の社会)と の関係についての経営体・経営者の社会的責任 (7)新多元社会における政治や政府との関係についての経営体・ 経営者の社会的責任 @政治理念の再構築についての経営者の社会的責任 A軍備についての経営者の社会的責任 B政府事業についての経営者の社会的責任 C経営体政府間関係についての経営者・経営体の社会的責任 ―問題の発生原因と再構築の指針― D国際的・超国家的政治問題についての経営体・経営者の社会 的責任 (8)知識経済ならびに組織社会との関係についての経営体・経営 者の社会的責任 ―知識労働者的な世界と経営者的な世界の統合― (9)地域社会あるいは市民社会との関係についての経営体・経営 者の社会的責任 @根無し草というコスモポリタン性をもった経営体と地域社会との 関係 A市民性を回復させるサード・セクター(市民社会)との関係 B市民社会・地域社会・都市社会との関係 (10)市場経済社会の確立との関係についての経営体・経営者の 社会的責任 @資本主義経済よりも自由市場経済 A自由市場経済と非営利経営体・市民社会との両立 (11)起業家社会との関係についての経営体・経営者の社会的 責任 (12)政府・企業・非政府非企業経営体で構成される知識社会との 関係についての経営体・経営者の社会的責任―自由で機能 し連帯・一体化する社会という価値実現をめざした経営― 2 統治的・事業的・経済的な経営体面と組織や管理の理念 3 経営体の良心(conscience)職能のための組織と管理 第3章 日本経済団体連合会の「企業行動憲章」 ―コンプライアンス経営実践の要請― 1 日本経団連:企業行動憲章の制定とその変遷 (1)経団連の企業行動憲章の目的と経団連からの企業行動総点 検の要請 (2)日本経団連の「企業行動憲章」の変遷 2 日本経団連:企業行動憲章(平成16(2004)年5月18日改定) @第1条「社会的に有用な製品・サービスを安全性や個人情報・ 顧客情報の保護に十分配慮して開発,提供し,消費者・顧客 の満足と信頼を獲得する。」 A第2条「公正,透明,自由な競争ならびに適正な取引を行う。ま た,政治,行政との健全かつ正常な関係を保つ。」 B第3条「株主はもとより,広く社会とのコミュニケーションを行い, 企業情報を積極的かつ公正に開示する。」 C第4条「従業員の多様性,人格,個性を尊重するとともに,安全 で働きやすい環境を確保し,ゆとりと豊かさを実現する。」 D第5条「環境問題への取り組みは人類共通の課題であり,企業 の存在と活動に必須の要件であることを認識し,自主的,積極 的に行動する。」 E第6条「『良き企業市民』として,積極的に社会貢献活動 を行う。 」 F第7条「市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力 および団体とは断固として対決する。」 G第8条「国際的な事業活動においては,国際ルールや現地の法 律の遵守はもとより,現地の文化や習慣を尊重し,その発展に 貢献する経営を行う。」 H第9条「経営トップは,本憲章の精神の実現が自らの役割であ ることを認識し,率先垂範の上,社内に徹底するとともに,グル ープ企業や取引先に周知させる。また,社内外の声を常時把 握し,実効ある社内体制の整備を行うとともに,企業倫理の徹 底を図る。」 I第10条「本憲章に反するような事態が発生したときには,経営 トップ自らが問題解決にあたる姿勢を内外に明らかにし,原因 究明,再発防止に努める。また,社会への迅速かつ的確な情 報の公開と説明責任を遂行し,権限と責任を明確にした上,自 らを含めて厳正な処分を行う。」 結言 |
[目次][このウィンドウを閉じる] 著者プロフィール
|
河野大機(こうの・だいき) 1942年12月 神奈川県小田原市に誕生 一橋大学商学部・商学研究科修士課程を経て 1971年7月 同博士課程を中退(下記採用内定のため) 1971年8月 福島大学に採用(9年8ヵ月在職) その後,千葉大学(8年)・多摩大学(9年)に採用 1995年5月 博士(経済学)東北大学より授与 1998年4月 東北大学経済学部経営学科教授に採用 2006年3月 東北大学大学院経済学研究科を定年退職(名誉教授) 2006年4月 東洋大学経営学部経営学研究科教授に採用 担当授業科目経営学総論・コンプライアンス経営論・コーポレートガバナンス論 著書 『ドラッカー経営論の体系化―時代に適い状況を創る経営―(上)(下)』三嶺書房,1994・5年。 『経営・組織の科学と技能と倫理―バーナーディアン・コーオペレーション―』千倉書房,2003年。 『経営書読解の修業―バーナード『経営者の役割』をケースにして―』文眞堂,2004年。 『P. F. Drucker のソシオ・マネジメント論』文眞堂,2006年。 『経営体・経営者のガヴァナンス―ドラッカーの所論ならびに関連諸理論・実践とそれらの統合化―』文眞堂,2006年。 |