消費経済学入門
▪サステイナブルな社会への選択
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目次

はじめに
序 章 怒りの葡萄
 1 豊作貧乏――市場経済システムの限界
 2 情報の非対称性――市場における情報の役割
 3 限定合理性――等身大の消費者像
 4 経済学が問われているもの
 5 消費者の視点
第1章 市場経済システムの論理と倫理
 1 アダム・スミスと自己利益の追求
 2 合理的な愚か者――アマルティア・センの主流経済学批判
 3 共感のルーツ
 4 共感とコミットメント
 5 利己心の経済から利他心の経済へ
第2章 サステイナビリティの視点
 1 サステイナビリティとは
  1.1 サステイナビリティの定義をめぐって
  1.2 ハート教授の3つの経済論
  1.3 市場経済の問題点
  1.4 電子ゴミの事例
  1.5 SDGs との関係
 2 サステイナビリティと3つのサブ経済システム
  2.1 われわれの身の回りの3つの経済の事例
  2.2 サブシステムとしての3つの経済
  2.3 対立と共生――サブシステムの調整プロセス
  2.4 経済の成長と循環
  2.5 サステイナビリティと価値判断
第3章 消費経済学の課題と方法
 1 消費経済学の課題
  1.1 消費者主権の確立
  1.2 消費者問題とこれまでの消費経済学の役割
  1.3 現代消費社会の構造変化と新たな課題
  1.4 消費経済学の役割の変化
 2 消費経済学の新たな展開
  2.1 消費経済学の基本概念
  2.2 情報の非対称性
  2.3 限定合理性
  2.4 サステイナビリティ
第4章 企業の役割
 1 企業システムと取引コスト
  1.1 限定合理性,不完全情報と取引コスト理論
  1.2 摩擦のない世界
  1.3 コースの定理と法規制の意義
  1.4 市場におけるルール(法規制)と効率性,衡平
 2 企業の社会的責任
  2.1 企業の目的は利益を上げることだろうか?
  2.2 経済的価値と社会的価値
 3 ソフトローの役割
  3.1 市場のルールとしてのソフトロー
  3.2 自律的秩序のインセンティブ構造
  3.3 ソフトローとサステイナビリティ
  3.4 ソフトローの実効性
  3.5 サプライチェーンとソフトロー
  3.6 ソフトローと取引コスト論
 4 企業システム革新への動き
  4.1 新たな企業モデルとしての社会的企業
  4.2 海外の社会的企業制度の動向
  4.3 わが国自治体のCSR 認証への取組み
第5章 消費者の心理と行動
 1 消費者の選択と行動経済学
  1.1 サンクコストの呪縛
  1.2 消費者の選択と感情や直感
  1.3 消費者の選択とリスク
  1.4 消費者の選択と時間
 2 限定合理性と消費者トラブルへの対応
  2.1 消費者は,何故,騙されてしまうのか
  2.2 トラブルにどう対処すべきなのか
 3 現代消費者の課題と消費経済学の視点
  3.1 消費者の脆弱性
  3.2 ネット社会と新たな“消費者”の出現
  3.3 企業と消費者の「価値共創」
第6章 市場の機能と消費者政策
 1 市場の機能
  1.1 市場の質
  1.2 市場機能の限界
  1.3 規範的市場メカニズムの重要性
 2 市場のルール
  2.1 市場のルールの体系
  2.2 市場を支える制度151
  2.3 消費者問題と市場のルール・制度の変遷
 3 新たな消費者政策への展望
  3.1 消費者政策と消費経済学の視点
  3.2 リバタリアン・パターナリズムとその限界
 4 プラトンの警鐘
  4.1 消費者の選択と“民意”
  4.2 学習と連携・協働
  4.3 消費者市民社会をめぐって
 おわりに “人間の顔をした市場経済”への道



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著者プロフィール

樋口 一清(ひぐち かずきよ)
信州大学名誉教授,法政大学客員教授,内閣府消費者委員会委員
1950年東京生まれ。東京大学経済学部経済学科および同経営学科卒業。通商産業省消費経済課長,経済産業省九州経済産業局長,信州大学経済学部教授,同経営大学院教授,法政大学大学院教授などを歴任。明治大学大学院および中央大学法学部講師。
日本消費者政策学会会長。
消費者スマイル基金副理事長。