非正社員改革
―同一労働同一賃金によって格差はなくならない
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目次

第1編 日本型雇用システムと非正社員
第1章 非正社員とは何か?
1 なぜ法律には,非正社員の定義がないのか?
   非正社員のイメージ   
   法律上は格差なし・・・他 
2 日本型雇用システムとは何か?
   労使自治の産物としての正社員 
   日本型雇用システムと正社員 ・・・他
3 小  括

第2章 非正社員の実相
1 非正社員はどの程度いるのか?
   「就業形態の多様化に関する総合実態調査」(厚生労働省) 
   「労働力調査」(総務省) 
2 非正社員はなぜ増えているのか?
   増加傾向にある非正社員 ・・・他
3 企業はなぜ非正社員を活用するのか?
   企業の非正社員活用理由 
   就業形態別でみた企業の非正社員活用理由 ・・・他
4 労働者はなぜ非正社員として働くのか?
   労働者の非正社員選択理由 
   今後の就業に対する希望 ・・・他
5 非自発型非正社員の不満
   非正社員の賃金の低さ   
   非正社員の雇用の不安定性 ・・・他
6 日本型雇用システムのもたらす格差
   実質的な選択肢   
   難しい再チャレンジ ・・・他
7 小  括 54

第2編 非正社員をめぐる立法の変遷
第3章 私的自治尊重の時代

1 私的自治とは何か?
   私的自治が育てた日本型雇用システム 
   私的自治の原則 ・・・他
2 私的自治を制限する立法
   労基法による介入と契約自由 
   差別禁止規定による介入 
3 司法の動向
   法の欠缺を補充する判例 
   雇止め制限法理 ・・・他
4 学説の動向
   対立する学説  
   私的自治を重視する見解 ・・・他
5 小  括

第4章 消極的介入の時代
1 格差の社会問題化
   雇用ポートフォリオ   
   「構造改革」政策 ・・・他
2 2007年のパート労働法改正
   パート労働法の改正  
   公正な待遇の確保 ・・・他
3 変化のきざし
   ネガティブ・チェックリスト問題   
   偽装請負問題 ・・・他
4 小  括
 
第5章 積極的介入の時代
1 労働者派遣法の2012年改正
   労働者派遣の規制強化 ・・・他
2 労契法の2012年改正
   民法および労基法による有期労働契約の規制 
   労契法による規制 ・・・他
3 2018年の法改正
   パート・有期労働法の制定  
   パート・有期労働法8条 ・・・他
4 否定された私的自治
   採用の自由の否定 
   契約自由の否定をともなう「社会改革」 ・・・他
5 小  括

第3編 非正社員を理論的・政策的に考える
第6章 採用の自由はどこまで制約してよいのか?

1 日本法の下での採用の自由
   日本型雇用システムに不可欠な採用の自由 
   採用の自由の制約の2段階構造 ・・・他
2 EUではどうか?
   比較法といえば欧州   
   フランス法 ・・・他
3 比較法的考察
   解雇規制と入口規制との関係 15  
   欧州と似て非なる「濫用」規制 ・・・他
4 政策的妥当性
   法による強制の限界   
   企業の回避行動の危険性 ・・・他
5 小  括

第7章 法は契約内容にどこまで介入してよいのか?
1 労働条件格差と契約自由
   契約自由の原則と例外   
   均等待遇と均衡待遇 ・・・他
2 労契法20条の効力論
   均衡待遇規定としての労契法20条 
   行為規範としての労契法20条 ・・・他
3 同一労働同一賃金とは何だったのか?
   同一労働同一賃金の起源 
   普遍的な同一価値労働同一賃金論? ・・・他
4 小  括
   
第4編 真の格差問題とは
第8章 消える非正社員

1 格差問題の本質
   従属労働論の限界  
   潜在能力に働きかける政策 ・・・他
2 超高齢社会の到来
   高年齢者増加のインパクト   
   能力主義への転換 
3 第4次産業革命の到来
   変わる産業構造と就業構造  
   人間と企業の分業体制の変化   
4 真の格差是正策は何か?
   いつの時代にもある格差問題   
   真に必要な職業教育とは何か? 
5 小  括

終章 ポスト日本型雇用システム時代の格差
エピローグ 


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著者プロフィール

大内伸哉(おおうち しんや)
1963年生まれ
1995年 東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了
現 在 神戸大学大学院法学研究科 教授
<主な著書>
『人事と法の対話―新たな融合を目指して―』(共著:2013年,有斐閣)
『解雇改革―日本型雇用の未来を考える―』(2013年,中央経済社)
『君の働き方に未来はあるか?―労働法の限界と,これからの雇用社会』(2014年,光文社)
『法と経済で読みとく雇用の世界―これからの雇用政策を考える―(新版)』(共著:2014年,有斐閣)
『雇用改革の真実』(2014年,日本経済新聞出版社)
『労働時間制度改革―ホワイトカラー・エグゼンプションはなぜ必要か』
(2015年,中央経済社)
『雇用社会の25の疑問―労働法再入門―(第3版)』
(2017年,弘文堂
『AI時代の働き方と法―2035年の労働法を考える』(2017年,弘文堂)
『会社員が消える―働き方の未来図』(2019年,文藝春秋)