税法

タックス・ヘイブン対策税制の実務詳解―パナマ文書/抜本改正から判決事例まで

定価:4,968円(税込) 送料について

発行日:2017-12-15
A5判/468頁
ISBN:978-4-502-24971-6

紹介文

最前線で活躍する弁護士+税理士による実務で使えるタックス・ヘイブン対策税制(外国子会社合算税制)の決定版。法理論や豊富な経験に基づき、留意すべきポイントを平易に詳解。

関連書

評価

1件の評価があります。

『タックス・ヘイブン対策税制の実務詳解』について 飯島信幸(名古屋大学教授)さんのコメント (2018/03/02)
外国子会社合算税制については、平成28年度与党税制改正大綱で「喫緊の課題となっている航空機リース事業の取扱いやトリガー税率のあり方、租税回避リスクの高い所得への対応等を含め、外国子会社の経済実体に即して課税を行うべきとするBEPS(税源浸食と利益移転)プロジェクト最終報告書の基本的な考え方を踏まえ、軽課税国に所在する外国子会社を利用した租税回避の防止という本税制の趣旨、日本の産業競争力や経済への影響、適正な執行の確保等に留意しつつ、総合的な検討を行い、結論を得る」とされていたところ、平成29年度税制改正において、大幅な改正が行われたところである。また、平成30年12月22日に閣議決定された「平成30年度税制改正の大綱」においても、「外国金融子会社等」の取扱いや外国関係会社で保有する対象株式等を譲渡した場合の利益の取扱いなど明確化等が求められていた各種改正が取り上げられている。
本書が主に解説している今回の改正では、租税回避リスクを、外国子会社の個々の活動内容(所得の種類等)により把握し、租税回避リスクの低い外国子会社に、所得を「能動/受動」に分類する事務作業が発生しないよう、一定の税負担をしている外国子会社の適用を免除するなど、BEPSへの対応といった大きな政策目標をかなえつつ、既存制度で個々に問題とされていた事項を整理・改正し、納税者の事務負担にも相当配慮したものと考えられる。
経団連の平成30年度税制改正に関する提言においても「平成29年度税制改正で外国子会社合算税制の抜本的な見直しが行われた。航空機リース等の過剰合算が一部、解消されるとともに、既存制度の基本構造が維持されるなど、納税者の事務負担に一定の配慮がなされたことは評価できる」とされている。さらに、平成30年度税制改正大綱の内容が立法化されれば、明確化等が求められていた事項はほぼ解消されると考えられる。また、事務の簡素化とセットで新たな制度が導入されており、制度の変更による事務負担についても相当配慮されている。
本書は、この改正の背景とされているパナマ文書問題が示唆するいわゆるタックスヘイブンがもたらす弊害をリアルに描いた後、外国子会社合算税制発足当初からの資料等を精力的に参照したうえで既存制度について言及し、OECDのBEPSプロジェクトの概要を述べ、税制調査会資料などを参照したうえで平成29年度の外国子会社合算課税制度改正について解説している。さらに、Q&Aを付加したうえで、豊富な判例を紹介している。惜しむらくは、出版日の関係で平成30年度税制改正大綱についての言及はできず、最新情勢についてという意味では読者は注意を要する。その点は著者も序文で改訂版執筆の意欲を表明されている。
本書は、気鋭の実務家が執筆されているが、その豊富な内容・考察から研究者にとっても非常に参考となる1冊である。
評価を書き込む

すべての項目が必須です。

ニックネーム
タイトル
評価
画像認証
左の画像の英数字を入力してください。
※不正なアクセス防止の為、画像認証を行っています。