税法

租税条約入門―条文の読み方から適用まで

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定価:2,808円(税込) 送料について

発行日:2017-12-22
A5判/224頁
ISBN:978-4-502-24661-6

紹介文

租税条約のベースとされているOECDモデル租税条約(2017年版)を素材として、適用にあたっての基本的な考え方や条文解釈にあたって問題となる点を具体的に解説。

評価

1件の評価があります。

『租税条約入門』について 大野雅人(筑波大学大学院教授)さんのコメント (2018/02/27)
今日、国際課税の実務に携わる者にとって、OECD/G20によるBEPS(Base Erosion and Profit Shifting: 税源浸食と利益移転)プロジェクトの理解が欠かせない。同プロジェクトは、2015年に租税回避防止等のための15のテーマについて提言を行い、そのなかには、OECDモデル租税条約の改定提言など、従来の国際課税原則の見直しとなるものも多く含まれていた。これを受けて、2017年11月にOECDの新モデル条約が公表された。
本書は、この2017年版モデル条約を素材とする、租税条約についての最新の解説書である。
著者は、東大法学部を卒業し、国税庁法人課税課源泉国際係長等として国際課税の最前線の実務に携わった後に役所を辞し、国際的に活躍する、30代の気鋭の弁護士である。また、オランダのライデン大学に留学し、法学修士(国際租税法上級)の学位を受けている。
本書は、「租税条約の基礎」、「総則規定」、「事業所得」、「投資所得」、「その他の所得」、「労務所得」、「二重課税の排除」、「無差別取扱い」、「租税条約の適用をめぐる諸問題」、「租税条約の活用」の10の章で構成される。まず、基本となる条項の英文が示され、次いでその意味が説明されているので、英文でモデル条約を読む最初の訓練となり得る。そして、租税条約の解釈・適用にあたっての基本的な事項が明解に記述されている。
そのような意味で、タイトルは「租税条約入門」とされているが、各章はそこからさらに深い説明にはいっていく。著者がはしがきで、「本書は租税条約の『入門』書であるが、これは必ずしもその内容が入門レベルであることを意味するものではない。論点によっては、かなりレベルの高い先端的な議論を取り扱っているものがある」と述べているとおりである。しかし、本書の記述は、読者にモデル条約各条の基本的な概念を把握させることを意識して、あくまでもわかりやすく、簡潔であり、また、複雑な課税関係を説明する際には図表が多用されている。したがって、租税条約の初学者が租税条約の構造と基本となる考え方を理解するうえで、本書は格好の教科書となる。他方、すでに租税条約になじみの深い読者も、本書により、2017年改定による新たなモデル条約の全体像を把握することができよう。
BEPS報告書によって、租税条約の目的に租税回避の防止が加えられ(前文)、ハイブリッド事業体に新たな課税ルールが適用され(1条)、恒久的施設(PE)の範囲が拡大され(5条)、条約濫用防止のための一般的租税回避否認規定が置かれる(29条)など、国際課税のルールは大きく動いている。
なお、改定後のOECDモデル条約の内容を、当事国の改定交渉を経ることなく既存の租税条約に落し込むために、「BEPS防止措置実施条約」という画期的な多国間条約が策定され、現在わが国を含む約80か国が署名済みであり、2018年中に発効する見込みであることを付記しておきたい。
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